からだのこと

2020年11月11日

冷え症、あなたはどのタイプ?お薬相談室vol.30

奥(登録販売者)

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こんにちは。

11月に入り、急に冷え込んできましたね。

去年、一昨年と「暖冬」が続きましたが、気象庁の予測では今年は冬らしい気温になるそうです。

冷え性の方は辛い季節ですね。

その冷え性ですが、人により冷える箇所はそれぞれ違うんです。

今回は4つのタイプに分けてそれぞれの対策、

さらには症状に合う、代表的な漢方薬をご紹介します。

 

 冷えのタイプをチェック

まずは、あなたの冷えはどんなタイプに当てはまるかチェックしてみましょう。

 手足が冷たい→手足冷えタイプへ

 □お腹など中心が冷える→内臓冷えタイプへ

 上半身が熱く下半身は冷える→上熱下寒の冷えタイプへ

 全身が冷たい→全身冷えタイプ

 

 

①手足冷えタイプ

運動不足、食事の量が少ない方に多くみられます。

私達の体は、暑い時には血管を拡張して熱を出し、寒い時は血管を収縮させて熱を逃がさないようにします。

食事や、運動をすると血の巡りも良くなり体が暖かくなりますが、運動や食事の量が減ると、血液の巡りも悪くなります。

体は脳や心臓を中心に血液循環を優先させますので、手足などの末端が冷えてしまうのです。

このタイプは、ダイエット中の女性に多くみられ、肌トラブルや月経トラブルも起こしやすくなります。

 
対策

・筋肉をつける

・食事をしっかりとる

・お風呂にゆっくりつかる

・血行をよくする(ストレッチをする)

漢方薬では、

足腰の冷え症に
→「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(トウキシギャクカゴシュユショウキョウトウ)」

足が冷えてのぼせる人に

→ 「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」など

 

②内臓冷えタイプ

隠れ冷えタイプと呼ばれているこのタイプは、胃腸などに症状が現れてから気づくことが多いです。

起きてすぐにお腹に手を当ててみて冷えている人。

このタイプは、ストレスによる自律神経の乱れが原因の一つで、自律神経が乱れることで、末端の血管が収縮せず、内臓に血液を優先的に送れなくなり、お腹が冷えてしまいます。

また、冷たい食べ物や飲み物をよく取る人にも多くみられます。

 

対策

・リラックスする時間を作る

・温かいものを積極的にとる

・お風呂にゆっくりつかる

・血行をよくするストレッチをする

 

漢方薬では

おなかが冷えて痛む人の腹部膨満感に

「大建中湯(ダイケンチュウトウ)」 など

 

③上熱下寒の冷えタイプ

血のめぐりが悪く、滞った状態で上半身がのぼせて、下半身が冷えるタイプ。

顔のほてりで、冷えとは気づきにくいため注意が必要です。

イライラ、頭痛、顔のほてり、肩こり、肌荒れのほか、月経トラブルや便秘が起こることもあります。

 
対策

・足湯、下半身浴で下半身を温める

・スクワットなどで下半身の筋肉を強化する

・長時間同じ姿勢を続けない

・ゆるめの服を着る

 

漢方薬は

血の巡りを良くして、女性ホルモンも整える、足冷えなどに

「桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)」など

 

 

④全身冷えタイプ

季節を問わず、常に寒さを感じるタイプの冷え性です。

おもな症状としては、一年中冷えを感じていることから、冷えの自覚症状が乏しいという特徴があります。

そのままにしておくと身体機能の低下にもつながるため、気を付けたいところです。

低体温(36度以下)でなくても、この症状に当てはまる方もいらっしゃいます。

対策

ウォーキングなどで基礎体温を上げる

・温かいのもを摂る(白湯を朝一番に飲むのもおすすめ)

・あったかアイテムで体を冷やさない

 

漢方薬では

手足が冷えやすい人の食欲不振に

→「六君子湯(リックンシトウ)」など

 

最後に

冷え症というのは長い間に少しずつ進行してきた症状ですから、短期間で症状がとれるものではありません。少しずつの積み重ねで、時間をかけていく必要があります。

本格的に寒くなる前の今から日常に気を付けて、冷えにくい生活習慣を身につけることも大切です。

漢方薬は構成生薬が自然由来のものなので、体に合ったものを取り入れて体質改善も期待できます。

上手に使ってみてくださいね。

読んでくださってありがとうございました。

奥(登録販売者)

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漢方に興味を持ち勉強するたびに、漢方薬は奥が深い!と感じています。 お客様に安心して使っていただけるように、色々アドバイスをさせて頂きます。

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