髪のこと

2019年03月29日

円形脱毛症について知ろう|髪と頭皮の豆ちしき

さくら便り

 
「円形脱毛症」になると、突然円形や楕円形に毛が抜けてしまいます。
 
通常脱毛の前兆として『生えている髪の毛の量が減っていく』 『髪が細くなっていく』といったものがあげられます。
 
円形脱毛症の場合は、そういった前兆が見られず突然脱毛が始まるという特徴があります。
 
「10円ハゲ」と言われるように、10円玉くらいの大きさの脱毛が起こる症状と思われていますが、頭部全体に広がっていくタイプや、眉毛やまつ毛、体毛などに及ぶものまであります。
 
 
場合によっては、毛が生えて「治った」と思っても再発することもあります。
 
一説によると発症した人の3~4割が、完治したあとも再発すると言われていますし、人によって症例にさまざまなケースがあります。
 
脱毛の速さも個人差があるため、ゆっくりと時間をかけて抜ける場合もあれば、短い期間で一気に抜けてしまう場合もあります。
 
 

円形脱毛症のパターン

 
 
円形脱毛症には、幾つかのパターンがあります。
重症化するにつれて、型が変わっていきます。
 
 
 
 

多発型~多発融合型

 
「多発型」は、髪の脱毛が2箇所以上発症するものです。
脱毛部位が重なったりくっついたりすることで、脱毛部分が広範囲におよぶ「多発融合型(頭部全体がまだら模様のように脱毛する)」というケースもあります。
 
 

蛇行型~全頭型~汎発型

 
「蛇行型」はおもに後頭部から髪が蛇行するように抜けていく脱毛の症状です。
「多発型」や「蛇行型」などの症状が悪化すると、脱毛が頭部全体に広がるケースもあります。
頭髪がすべて抜け落ちてしまうと「全頭型」の状態になります。
「全頭型」からさらに症状が進行した場合、最終的に「汎発型」(はんぱつがた)と呼ばれる状態になります。
「汎発型」は全身の体毛がすべて抜け落ちる状態です。
 
「全頭型」や「汎発型」まで症状が進行すると治療も長期化する傾向にあります。
 
 
 

円形脱毛症の原因

 
円形脱毛症の原因には諸説ありますが、はっきりとした原因は分かっていません。
 

自己免疫疾患

 
外部から病原菌やウィルスなどの異物が侵入した場合、それらから体を守るための自己免疫機能が備わっています。
 
その機能に何らかの異常が生じた場合、自己免疫疾患となります。
 
自己免疫疾患による円形脱毛症の場合は、自己の免疫機能が頭髪の毛根を異物として認識することで脱毛が起こると言われています。
 
本来は体を守ってくれるはずの免疫機能が毛根を攻撃する理由は分かっていませんが、円形脱毛症を発症する人は、異常性白斑や、甲状腺疾患などの自己免疫に関わる病気を併発しているケースが多いため、自己免疫疾患が有力な原因なのではないかと言われています。
 
 

アトピー性皮膚炎

 
円形脱毛症になる人の約4割がアトピー性皮膚炎を患っているというデータがあり、関係性があるのではないかと言われています。
 
 

ストレス

 
円形脱毛症の原因として一番有名なものです。
過度のストレスを感じると、自律神経やホルモンバランスを崩し、交感神経に異常をきたすため血流が悪くなります。
血流が悪くなった結果、毛根へ栄養が行き届かなくなり、抜け毛につながると言われています。
また、ストレスが自己免疫疾患を誘発し、抜け毛につながるとも言われています。
 
 

体に必要な特定の栄養素の不足

 
亜鉛やミネラル、鉄分が不足すると味覚障害や貧血、円形脱毛症などの抜け毛が起こるとされています。
 
 

遺伝的要素

 
円形脱毛症の中には、血縁者の中に円形脱毛症を発症した人がいる確率が高いと言われており、何らかの遺伝的要素も考えられているようです。
 
 
そのほかにも、暴飲暴食・喫煙・生活スタイルなどさまざまな要因が考えられています。
また女性の場合は、それ以外に妊娠や出産によるストレス、産後のホルモンバランスなども原因となります。
 
 
 

円形脱毛症になったら

 
軽度の円形脱毛症であれば、ストレスを解消するだけで髪が生えてきます。
 
ただ、重症化した人の中にはストレスを自覚しない(ストレスが慢性化している)ケースや、ストレス以外の原因が関係している場合もあります。
 
病院にかかった場合、多発型や融合型の円形脱毛症の治療には、ステロイドの外用薬や免疫に対する薬が処方されることが多いようです。
 
肝機能を助ける薬や、ステロイドの局所注射やビタミンやミネラルの投与、育毛薬の使用、経口のステロイド薬、血行をよくするためのレーザーなど、さまざまな治療を組み合わせていきます。
 
 

自分でできる対処法

 
睡眠時間を十分取ったり、食生活の改善は不可欠です。
 
免疫力を高める食材を積極的に摂るようにしましょう。
 
 
 
 
 

きのこ

 
きのこには、ビタミン・ミネラル・食物繊維などが豊富に含まれており、免疫力を高めるにはおすすめの食材です。
 
 

発酵食品

 
納豆・大豆・みそ・ヨーグルトやチーズなどは腸内環境を整えてくれます。
免疫細胞の約6割は腸内に存在するので、腸内環境を整えることで免疫機能が高まると言われています。
 
 

DHA/EPA

 
青魚に含まれるDHA・EPAはアレルギーや炎症を抑える効果があります。
 
 

ビタミンA

 
レバーや緑黄色野菜などに含まれるビタミンAは細菌感染などを予防する助けになります。
 
 
こういった食品を摂ることで、免疫機能をアップさせることも効果的です。
 
 
 
また自分にあった腸内環境を整えたり、DHA/EPAやビタミンが摂れるサプリメントもおすすめです。
 
直接頭皮につける育毛剤を利用する場合は、お肌が敏感になっている場合もあるので、一度パッチテストをしてからの使用をお勧めします。
 
 
 
 
円形脱毛症になった場合、自然治癒力に任せている間によくなる場合もあります。
 
ただ、円形脱毛症は脱毛部分の大きさや症状に個人差もあり、原因と治療法にもさまざまなタイプがあります。
 
場合によっては治療の遅れにより症状を悪化させてしまう可能性もあるので、円形脱毛症に気づいた場合はまず病院にかかることをおすすめします。
 
 
 
毛髪診断士®:中矢
 

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さくら便り

『 ともに豊かに 』 人生の豊かさ<健康・充実・愛>をともに想い描き、 心とからだに安心を、日常に何気ない幸せをお届けします。

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