栄養のこと
2020年05月18日
悪玉と善玉の違いとは?コレステロールのお話
添田(企画)
コレステロールと言うと、
「悪玉コレステロールは体に悪い」
「善玉コレステロールは体に良い」
なんとなくそんなイメージがあるかもしれません。
一般的に、悪玉コレステロールと呼ばれているものはLDLコレステロールを、善玉コレステロールと呼ばれているものはHDLコレステロールを指していますが、
そもそも、なぜ「悪玉」や「善玉」と言われているのでしょうか?
今回は、私たちにとって大事な【コレステロール】についてのお話です。
コレステロールとは
コレステロールは、体内に存在する脂質のうちの一つです。
・細胞膜
・副腎皮質ホルモン
・胆汁酸(脂質の消化吸収をたすける)
の原料となるなど、生命活動において重要な役割を担っています。
コレステロールと言うと、血液検査の数値を気にする方が多いかもしれませんが、じつは血液中だけでなく、脳や筋肉、内臓など全身に存在しています。
また、コレステロールや中性脂肪は脂質なので、そのままの状態では血液中に溶け込むことができません。
(水に油を溶かすのって難しいですよね・・・)
そこで、コレステロールや中性脂肪は、消化吸収の過程で表面をたんぱく質やリン脂質に覆ってもらい、「リポタンパク質」という姿になって血液中に存在します。
表面が覆われることで、水分(=血液)になじみやすくなるのです。
リポタンパク質の種類
リポタンパク質は、脂質とたんぱく質が組み合わさってできたもので、血液中で脂質を運搬する働きを担っています。
このリポたんぱく質は、比重によって、
・キロミクロン
・VLDL
・IDL
・LDL
・HDL
の5種類に分類されます。
一番上のキロミクロンが最も比重が軽く、一番下のHDLが最も比重が重いリポたんぱく質です。
ところで、この中にLDLとHDLという名前がありますね!
このLDLに含まれているコレステロールがいわゆる「悪玉コレステロール(LDLコレステロール)」、
HDLに含まれているコレステロールがいわゆる「善玉コレステロール(HDLコレステロール)」
と呼ばれているものなのです。
悪玉・善玉と言われる理由
5つのリポたんぱく質の役割は以下のようになります。
キロミクロン | 食事により摂取した脂質を全身に運ぶ。 |
VLDL | 肝臓から全身の細胞へ中性脂肪を運ぶ。 |
IDL | VLDLとLDLの中間体。 |
LDL | 肝臓で作ったコレステロールを全身の細胞に運ぶ。 |
HDL | 全身の細胞で余ったコレステロールを肝臓へ運ぶ。 |
LDLとHDLでは逆の働きを担っていますね!
コレステロールを全身に運ぶのがLDL、
全身で余分になったコレステロールを回収するのがHDL
の役割です。
コレステロールを全身に届けるのは大事なことですが、
LDLが血液中に増えすぎると、コレステロールが血管壁に蓄積され、血管の内側が狭くなってしまいます。
これが、LDLコレステロールが過剰になると動脈硬化を引き起こすと言われている理由です。
反対に、HDLは余分なコレステロールを回収して、最終的に排泄してくれるため、動脈硬化の予防効果が期待されています。
他にも、炎症や酸化ストレスから身を守ってくれたり、血管を柔らかく保つための細胞を保護する働きなどもあります。
なるほど・・・
こうして見ると、確かにLDLは悪者でHDLは善人のような感じがしますね(^-^;
これが「悪玉」や「善玉」と呼ばれるようになった理由だと考えられています。
ただし、HDLだけが重要でLDLは良くないもの、というわけではありません。
生きていくために必要なコレステロールを体内で一定量保つために、そのバランスが大事なのです💡
コレステロール値の基準値
コレステロール値や中性脂肪値には基準値があります。
その範囲を超えて、血液中のコレステロールや中性脂肪が過剰になると、脂質異常症と診断されます。
脂質異常症の診断基準は以下のとおりです。
高LDLコレステロール血症 | LDLコレステロール:140mg/dl以上 |
境界域高LDLコレステロール血症 | LDLコレステロール:120~139mg/dl |
低HDLコレステロール血症 | HDLコレステロール:40mg/dl未満 |
高トリグリセリド(中性脂肪)血症 | トリグリセリド:150mg/dl以上 |
※境界域高LDLコレステロール血症を示した場合は、ほかに糖尿病や慢性腎臓病といった危険因子がないか検討し、治療の必要性を考慮する。
診断基準の数値が基本ではありますが、LDLコレステロール値に関しては、肥満や高血圧、糖尿病、家族の病歴など他に危険因子がある場合は、さらに厳格な数値目標が設定されます。
コレステロール値を正常に戻すためには、まずは食事を見直すことが大切です😊
食事のポイント🍴
肉より魚を選ぶ🐟
コレステロールを多く含む肉類や卵類、乳製品の摂取量はなるべく控えめに。
主菜を選ぶなら、肉料理よりも魚料理のほうがおすすめです。
特に、青魚に豊富なDHA・EPAには、血液中のコレステロールや中性脂肪を減らし、血液をサラサラにする働きがあります🐟🐟
肉料理を食べるときは、なるべく脂身を避け、コレステロールが少ない赤身の肉を選ぶようにしましょう。
野菜、果物、海藻をしっかりと🍅
野菜や果物、海藻などの植物性食品には、コレステロールがほとんど含まれていないうえ、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富であるため、しっかりと補いましょう😊
食物繊維には、コレステロールや中性脂肪を包み込んで体外に排泄してくれる働きがあります。
また噛み応えがあり満腹感を得られやすいため、食べ過ぎを防ぐこともできます。
大豆製品もおすすめ
畑の肉と呼ばれるほど、たんぱく質が豊富な大豆もおすすめです。
大豆に含まれるたんぱく質には、血中コレステロールを下げる働きがありますよ。
甘いお菓子、清涼飲料水やアルコールは控えめに×
LDLコレステロールや中性脂肪を増やす原因になります⚠
摂り過ぎないように気をつけましょうね😊
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