栄養のこと
2018年07月06日
【ビタミンE】強力な抗酸化力で健康を守る若返りビタミン|栄養成分辞典
さくら便り
ビタミンEとは
ビタミンEは脂溶性ビタミンの1種で、その強い抗酸化力から『若返りビタミン』とも呼ばれています。
ビタミンについて調べているとよく耳にする『抗酸化』という言葉。
漢字のごとく『体が酸化することを防ぐ』わけですが、具体的なイメージが湧きづらいと思うのでご説明します。
活性酸素と抗酸化
私たちの体は、何億という細胞で構成されています。
その細胞1つ1つがエネルギーを生み出すために、酸素は必要不可欠です。
しかし、私たちの体の中に取り込まれた酸素のうち一部は、不完全に還元され活性酸素となり、過剰に生じたものは細胞を傷つけてしまいます。
この活性酸素は、体の中のさまざまな物質と反応しやすい性質を持っており、体内のたんぱく質と反応してそのたんぱく質を変性させたり、体内の代謝酵素と反応して酵素を失活させたりします。
細胞膜やリポたんぱく質に含まれるリン脂質などと反応すると、過酸化脂質を生じます。
過酸化脂質は体にとって有害な物質で、動脈硬化を招いたり、皮膚の色素沈着やシワを作る原因になると言われています。
私たちの体には、活性酸素の発生を制御したり、生じたダメージを修復・再生するための機能が備わっています。
このような働きを総称して『抗酸化作用』と言います。
通常、発生した活性酸素は抗酸化作用によって速やかに消去されますが、逆に活性酸素が増える要因として、酸化ストレスが挙げられます
例えば、心理的・肉体的ストレス、過度な紫外線・放射線、喫煙、酸化した食品を食べるなど、私たちは日常生活においてたくさんの酸化ストレスにさらされています。
様々なストレスにさらされる現代だからこそ、抗酸化ビタミンをしっかり摂取して健康を目指しましょう。
主なはたらき
強い抗酸化作用、それに伴うアンチエイジングや疾病の予防
・美肌効果
・生殖機能維持
・動脈硬化予防
・がん予防
・冷え性改善
など
1日に摂る量
≪1日に必要とされる量 ※30~49歳成人の場合≫
・目安量:男性6.5mg、女性6.0mg
・耐容上限量:男性900mg、女性700mg
※用語の解説はこちら

不足すると…
溶血性貧血
赤血球は、体の細胞がエネルギーを生み出すために必要な酸素を運ぶ役割を担っています。
赤血球の表面は細胞膜に覆われており、活性酸素によって傷つけられると、赤血球の膜はどんどん酸化して破れやすくなります。
最終的に、赤血球が壊れてしまうと溶血性貧血を発症してしまいます。
ビタミンEは、植物油に含まれているので、炒め物などの一般的な食生活をしていれば基本的に不足することはありません。
しかし、食べるられるものが限られている未熟児や高齢者では、十分なビタミンEを摂取できずに欠乏してしまう可能性があるので注意が必要です。
肌の老化・肌荒れ
活性酸素が増える原因(酸化ストレス)には紫外線も含まれています。
ビタミンEが不足すると、紫外線などの刺激から肌を守ることができず、シミやしわができやすくなってしまいます。
また、ビタミンEには血管を健康に保つ働きがあり、新陳代謝も活発にしてくれます。
いつまでも若々しく、綺麗でいたい女性にとっては大切な栄養素です。
動脈硬化を誘発する
ホルモンを作ったり、脂質の吸収に必要な胆汁の原料となるコレステロールを体の隅々に運搬するLDL。
このLDLの膜はリン脂質で出来ており、活性酸素の影響で酸化すると酸化LDLへと変化し、血管壁を傷つけます。
さらに、酸化LDLの影響はこれだけでありません。
酸化LDLを「異物」と認識した免疫細胞のマクロファージが、これを取り除こうと集まり捕食した結果、粥状の残骸が血管壁に蓄積していき動脈硬化が引き起こされてしまうのです。
動脈硬化を防ぐポイントは、LDLを酸化させないこと。
その点で、ビタミンEの抗酸化作用は非常に効果的です。
摂りすぎると…
出血しやすくなる
食事摂取基準を見てもらうと、耐容上限量は目安量の100~130倍で設定されていることが分かります。
出血傾向になるという報告もありますが、日常の食生活では取りすぎる心配はほとんどありません。
しかし、サプリメントや薬の服用を通して過剰に摂取してしまう可能性があます。
ビタミンEメインのサプリメントでなくても、他の栄養素を酸化から守るために配合されているものも多数存在しています。
サプリメントを何種類も取っている人は、取りすぎていないか確認しておいたほうがよいでしょう。
こんな人におすすめ
✓肌の老化が気になる
✓肩こりしやすい
✓冷えが気になる
✓更年期
✓喫煙習慣がある
多く含まれる食品
ビタミンEを多く含む主な食品
食品名 | 1食分の目安量(g) | 成分含有量(mg) |
アーモンド | 20(乾18~20粒) | 6.2 |
西洋かぼちゃ | 100 | 5.1 |
うなぎの蒲焼き | 100(1串) | 4.9 |
ひまわり油 | 12(大さじ1) | 4.7 |
ヘーゼルナッツ | 20(フライ味付け8~10粒) | 3.8 |
はまち | 70 | 2.9 |
アボカド | 80(1/2個) | 2.7 |
ほうれん草 | 100 | 2.1 |
たらこ | 30(1/2) | 2.1 |
摂取するときのポイント
ビタミンCと一緒に摂ろう
今回ビタミンEをご紹介する中で、たくさん『抗酸化』というキーワードが出てきました。
実は、ビタミンE以外にも強い抗酸化力をもつビタミンがあります。
それがビタミンC。
ビタミンEは自身が酸化されながら、脂質の酸化を防ぎます。
一方、ビタミンCはビタミンEを酸化されていない状態に戻す作用(還元力)があります。
つまり、両方一緒に摂ると相互補完をする非常に相性の良い組み合わせなのです。
抗酸化ビタミンであるビタミンEとCは活性酸素から血管や細胞を守り、老化を防ぐ力が非常に強いので、健康を保つためだけでなく美しい肌を維持する点でも大切です。
魚油を取るときは、ビタミンEも一緒に!
魚を保存していると、脂分が黄色や赤褐色に変色してしまったり、変なにおいを感じたことはありませんか?
これは『油やけ』と言われ、魚に含まれる油が酸化してしまうことでおこる現象です。
このように青魚に多く含まれるDHA・EPAなどの多価不飽和脂肪酸は、健康にいい反面すごく酸化されやすいという欠点を持っています。
DHA、EPAなど魚油に含まれる多価不飽和脂肪酸を取るときは、酸化防止のために一緒にビタミンEをとる方がよいでしょう。
調理のポイント
ビタミンEは油に溶けやすく、熱にも強いという性質を持っているので炒め料理がおすすめです。
ビタミンCやβ-カロテンが豊富な緑黄色野菜を、ビタミンE豊富なサフラワー油やひまわり油で炒めると、吸収率も上がるのでおすすめです。
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