栄養のこと

2018年08月10日

【亜鉛】新陳代謝を促し、ツヤ髪を作る栄養素|栄養成分辞典

さくら便り

亜鉛とは

亜鉛は、主に体の筋肉や骨に含まれ、その他器官にも幅広く存在しています。

たんぱく質の合成や細胞の新陳代謝に関わり、ヒトの体内に200種類以上ある代謝酵素の必須成分となっています。

代謝酵素は、代謝をスムーズに行うために欠かせない物質です。

このため、亜鉛が不足すると新陳代謝が上手に行われなくなり、子どもの場合性機能の発育不全、成人の場合は髪の毛や皮膚、消化管の粘膜などの新陳代謝が盛んな器官が影響を受けやすくなります。

 

主なはたらき

・味覚を正常に保つ

・成長促進

・免疫作用をサポート

・髪の毛や肌をきれいに保つ

・生殖機能の維持

 

1日に摂る量

≪1日に必要とされる量 ※30~49歳成人の場合≫

・推奨量:男性10mg、女性8mg

・耐容上限量:男性45mg、女性35mg

 

※用語の解説はこちら

 

不足すると…

味覚障害になりやすい

味覚障害になる原因として様々なものがありますが、一般的に加齢によるものが多いと言われています。

亜鉛不足によっても味覚障害が生じることがあり、特に思い当たるものがない場合は亜鉛が足りていない可能性が高いです。

舌の表面にある味蕾(味を感じる部位)は細胞分裂の盛んな部位で、亜鉛には、細胞分裂を促したり新陳代謝を上げる働きがあります。

不足すると正しく味蕾が機能せず、何を食べても変な味がしたり美味しく感じられなくなってしまいます。

 

免疫力低下

亜鉛が不足すると、菌から身体を守る免疫機能が低下し、肺炎などの感染症にかかりやすくなります。

 

 生殖機能の低下

亜鉛は精液や男性ホルモンの生成にも関与しており、不足すると生殖機能が低下します。

 

代謝機能がおちる

亜鉛は様々な代謝酵素の生成に関与しています。

例えば、働き盛りの男性の場合アルコールの分解に必要な酵素の成分になったり、血糖値をコントロールするインスリンの働きを助けたりと、とても重要なミネラルです。

 

抜け毛

亜鉛は、髪の毛の90%を占めるケラチンというたんぱく質の合成に必要です。

また、抜け毛の原因となる「5αリダクターゼ酵素」を抑制する効果もあります。

薄毛で悩む人にとって、積極に取ってほしい栄養素です。

 

摂りすぎると…

通常の食事では過剰症になることは滅多にありません。

起こるとすれば、サプリメントの過剰摂取や酸性の食品を飲食するときに亜鉛メッキの食器を使うと引きおこる可能性があると考えられています。

 

銅欠乏症

亜鉛を摂りすぎると、銅の吸収が阻害され「銅欠乏症」になりやすくなります。

詳細は下記をご覧ください。

 

 吐き気・下痢

過剰に摂取すると、身体が吸収できず体外へ排出しようとするため嘔吐や下痢などの症状が出てしまいます。

 

こんな人におすすめ

✓味を感じにくい

✓かぜをひきやすい

✓抜け毛や肌荒れが気になる

✓菜食主義者(肉、魚をあまり食べない)

✓加工食品に頼りがち

✓よくお酒を飲む人

✓働き盛りの男性

✓妊活中(子供を望む)の男性

 

多く含まれる食品

亜鉛を多く含む主な食品

食品名 1食分の目安量(g) 亜鉛含有量(mg)
牡蠣 70g 9.2
レバー 70g 4.8
牛肉 70g 3.6
ラム肉 70g 3.5
タラバガニ(缶詰) 50g 3.2
うなぎ蒲焼き 100g 2.7
かぼちゃの種 20g 1.5
糸引き納豆 50g 1.0

 

通常の食事をとっていれば、不足する心配はないのです。

しかし、主に肉や魚介類に含まれ、厳格なベジタリアンの人は不足しやすい栄養素なので意識的に取る必要があります。

また、穀類や豆類などに多く含まれるフィチン酸や、加工食品に使われる食品添加物のなかには、亜鉛の吸収を阻害するものもあります。

 

摂取するときのポイント

不足しやすいのは

加工食品を多くとる人

スナック菓子やインスタント・レトルト食品などの加工食品には亜鉛の吸収を阻害する食品添加物が入っていることがあるので、注意が必要です。

加工食品をとった翌日はなるべく自炊するなど、バランスのよい食事を心がけましょう。

 

よく体を動かす人

汗の中にも亜鉛は含まれており、たくさん発汗するとそれだけ亜鉛も体外へ排出されてしまいます。

運動強度が高い人ほど、消費量も激しいので体力を使う仕事をしている人や、部活動などで日常的に発汗量が多い人は、亜鉛を意識的に摂り、不足しないように心がけましょう。

 

飲酒習慣がある人

アルコールを摂取すると、その影響で腸管からの吸収率が下がったり、尿からの排出量が増えるので不足しやすくなります。

また、アルコールの分解にはたくさんの酵素が関わっています。

亜鉛はこれら代謝酵素の材料でもあるので、結果的にどんどん消費されていきます。

 

菜食主義者

亜鉛は菜食主義の人が食べない肉や魚介類などに多く含まれます。

また、菜食主義の方が積極的に摂取している植物性の食材(豆類や穀類)には亜鉛の吸収を阻害するはたらきのあるフィチン酸が含まれているので、不足しやすい傾向にあります。

 

亜鉛×鉄×銅の相互作用

鉄欠乏性貧血の人には、鉄剤(100~200mg/日の鉄を補充)が投与されますが、一度に大量の鉄補充を行うと亜鉛の吸収率に影響を及ぼすことが分かっています。

ちなみに、食間に鉄分補給のサプリメントを摂取する程度の補充であれば、特に問題はありません。

また、亜鉛を多く摂取すると、銅の吸収を阻害してしまうため銅欠乏症を生じる可能性があります。

そのため、亜鉛を補充するサプリメントには併せて銅が添加されていることがしばしばあります。

 

調理のポイント

亜鉛は抗酸化力の強いビタミンAの働きを助ける作用があり、ビタミンAは亜鉛の吸収率を上げる相乗効果が期待できます。

また、ビタミンCも亜鉛の吸収を促してくれるはたらきがあるので「肉・魚(亜鉛)×野菜・レモン(ビタミン)」などの食べ合わせがおすすめです。

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さくら便り

『 ともに豊かに 』 人生の豊かさ<健康・充実・愛>をともに想い描き、 心とからだに安心を、日常に何気ない幸せをお届けします。

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