スタッフブログ
2018年06月14日
【極み職人 vo.8】木を愛する匠
さくら便り
毎月芸術的な職人技とその人柄に迫るこのコーナー『極み職人』。
私たちの身近には、職人ならではのこだわり、極めた技、その背景にある魅力的な人柄をお持ちの方が多くいらっしゃいます。
そんな方々をご紹介し、職人としての想いに触れることで、新たな発見、刺激や気づきになるコーナーになれたら嬉しいです。
今回ご紹介させていただく職人さんはこの方!
木を愛する匠の本物志向手作り家具
Handmade in Fukuoka
濵本 大志さん
春の陽気に包まれて
カーナビで現地を見ると、道のないところに「G」マークが点いている。どこから入って行くんだろうと、舗装されていない脇道に入ってみる。
「約束の時間に遅れそうだな」と思っていると、見覚えのある建物(下写真)が突然現れた。
お訪ねしたのは福岡市のお隣、糸島市。工房のある志摩馬場という場所は糸島半島のほぼ中央にあり、人気のドライブコースからは離れているので、目的がないと「たまたまたどり着く」ようなところではない。
自宅を兼ねた工房で迎えてくれた今回の匠は、以前にお声プレゼントでコースターを作っていただいた家具職人の濵本さん。大柄で物腰柔らかな話し方の濵本さんから、熱い思いをうかがった。
無垢材の味わい
木そのものの色合い、手触り、匂い。そんな家具たちに囲まれているのはとても心地良い。昨今の量販家具には感じられない、自然の恵というか、心を穏やかにする何かがある。
濵本さんの作る家具は、無垢材の味わいを大切にしている。木それぞれの持つ色合いや性質を「持ち味」とし、経年による色の変化はもちろん、不注意でつけてしまったシミや傷までも楽しみと考えたくなる。
いかにも「職人さんの手」をした濵本さんだが、長崎県の漁師町のご出身。そのせいか釣りが大好きだそうで、部屋の隅には釣竿が並んでいる。「ここ(糸島半島)は周りを海に囲まれているので、いつでも釣りに行けるんですよ」と楽しそうに話してくれた。
運命的な巡り合わせ
以前は配送業に従事していたという濵本さん。
そこで将来を変える出会いがあった。ある時、手作り家具の配送設置依頼があったのだ。元々物作りで生計を立てたいと漠然と考えてはいたものの、「こんな世界があるのか」と濵本さんの心を激しく揺さぶった。その数年後には職業訓練校で家具づくりを学ぶことになる。
しかし、訓練校で学ぶような量産家具ではなく、天然木で本物の家具を作りたい。そんな思いが湧き立ってきた頃、またしても運命の出会いが。それが、のちに濵本さんが師事することになる家具職人の親方、西さんだった。
西さんの個展のためのお手伝いが縁で弟子入りし、後々この糸島の地に根付いて活動するようになったのだ。
一生ものの家具
量産、使い捨てとは真逆のもの。長く使い続けられる家具こそが濵本さんの願うものだ。例えば、無垢の天板のテーブルなら、経年で変色や傷が入っても、カンナで削れば新品同様になる。もちろん、リメイクも可能だ。
そのために木材それぞれの特性を知り尽くした濵本さんの話は、聴き飽きることがなく面白い。文字通りの適材適所。濵本さんの一つのこだわりだ。
受注の際も、その方の好みはもちろんだが、部屋に置かれた他の家具、柱や建具に使われている木さえも考慮する。なので、十分にお客様との打ち合わせの結果出来上がった家具たちは、既製品では味わうことのできない落ち着きと一体感がある。ぜひホームページなどでご覧いただきたい。
技術を支える道具
工房を見せていただいた。出番を待つ様々な種類の木材が部屋一面に並んでいる。
そしてそれらを引き立たせる道具類。カンナもたくさんの種類が棚に並ぶ。カンナの土台も木なので、季節によって湿度管理をしているそうだ。床に薄い布のようなものが落ちていた(右ページ右下)。聞くと、なんとカンナ屑!技術向上のためにと、カンナ削り大会にも挑んでいるそうだ。カンナの刃を研ぐ砥石もズラリ。それらによって、素材の性質を活かしたオーダー家具が出来上がる。
自然を愛し、自然と共に暮らす匠は、自然の恵みである木に永遠の命を吹き込む達人だった。
お問い合わせ先
Handmade in Fukuoka(ハンドメイド イン フクオカ)
〒819-1305
福岡県糸島市志摩馬場195
092-332-7864
info@handmadeinfukuoka.com
http://www.handmadeinfukuoka.com
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