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2019年02月20日

【極み職人 vol.16】天邪鬼(あまのじゃく)が唯一無二な映像世界を作り出す

原武(さくらもち制作部)

毎月芸術的な職人技とその人柄に迫るこのコーナー『極み職人』。

私たちの身近には、職人ならではのこだわり、極めた技、その背景にある魅力的な人柄をお持ちの方が多くいらっしゃいます。

そんな方々をご紹介し、職人としての想いに触れることで、新たな発見、刺激や気づきになるコーナーになれたら嬉しいです。

 

今回ご紹介させていただく職人さんはこの方!

 

株式会社コーホー部 代表取締役社長
大仁田 英貴(おおにた ひでき)さん

 

映像職人を訪ねた

最近ではゲームでVRをご存知の方も多いだろう。コンピュータでつくられた三次元空間を、専用のゴーグルをかけ、視覚を通じて様々な疑似体験ができるようにしたものだ。

今回はこのVRを取り入れて面白い展開を考えいている映像職人、株式会社コーホー部の大仁田さんをお訪ねした。大仁田さんはその社名の通り、企業の広報宣伝を、映像によって支援する会社の社長さんでもある。

 

監督を志望していたが…

長崎雲仙・普賢岳が噴火したのは平成に入ってすぐの事。隣県、熊本生まれの大仁田さんは当時高校一年生の時の文化祭で、ドキュメンタリー映像をクラスで作った。それが、映像に興味を持ったきっかけとなる。

専門学校を卒業後、最初に入ったドキュメンタリー映画製作会社で企業プロモーションの制作に携わった。モノづくりをしている人の気持ちや技術を映像に残していくというもの。職人さんとシンパシーを感じる仕事にはある種の魅力があった。

その会社での師匠は、超芸術派。大仁田さんは監督志望だったが、最初についたこの先生がカメラマンだったこともあり、いやいやながら撮影を始めた。テレビ業界では、通常、カメラはカメラ、監督は監督といった分業制が一般的だったが、この会社は少人数だったので、何でも一人で完結させないといけない。ここでの映像関連の多岐にわたる修行が現在の大仁田さんの原点になった。

そして、テレビ局関連の制作会社、CM撮影会社という業界遍歴。いずれも辛い修業時代だったが、自身も気づかぬうちに撮影のスキルは上がっていた。

 

 

インプット三昧

その後、知り合いの会社で手伝いをしてる時、企業紹介映像を作る仕事を丸ごと任された。しかし、十数年の間に映像制作の一連の流れを掌握し、撮影のスキルも経験も十分に身に着けていた大仁田さんは、ここで監督とカメラマンで同時期にデビューとなる。

 

しかし、長かった修業時代だったからこそ得たものは多かった。有名な監督やカメラマンに数多くつくことで、カメラ視点、編集視点、演出視点という映像に関する様々なインプットができた。いざ自分が表現する時に、体得してきたことすべてが繋がった。モノづくりの真の面白さを知った瞬間だ。

一人でオールマイティにやるのが珍しかった当時。「時代の先取りと言えば格好良いが、元来の天邪鬼な性格が手伝っていたんですよ」と大仁田さんは言う。

現在はもう一歩、新しい取り組みをしている。その一つがVRを使った映像の仕事だ。

 

VRの魅力

大仁田さんは、自身がVRを体験した時に、新しい可能性を感じた。従来の映像作品は、ある意味、視聴者が制作者に操られている世界。それに対し、VRは視聴者側の意図で無限に世界が自由に広がると思った。演劇を観るように、主演の俳優を見てもいいし、セットを見てもいい。VRは見ている人に主導権がある自由な世界だと思った。ビジネス的に見ても、創作・表現の部分と経営・ビジネスの部分とをマッチングさせ、誰もが幸せになるようなVRの世界をイメージしている。

また、VRでは仮想空間に仕事場を作ることも可能だ。そうすれば、在宅で仕事ができる日とが増える。けがや障害でも距離や時間の制限なく、もっと仕事のチャンスが広がる。ゴーグルとスマホとインターネットにつながってさえいれば、仕事場すらいらないし仕事道具さえいらない未来ができるかもしれない。いわば、仮想現実というより理想現実。すべての壁がボーダーレスになって、そういう世界が広げられたら素敵だ。

 

 

技術継承ソフト

大仁田さんの進めているVRコンテンツの一つに『VR師匠』というのがある。職人さんの仕事の伝承が難しいのは、知識値や経験値といった無形のものの存在も大きい。それが、あたかも師匠の横にいるように手元の作業を見つつ、さらにアップしたりスローモーションにしてみることができればどうだろう。

「私たちの仕事も、よくセンスや才能と言われますが、才能というより実は経験だと思うんです。その形式値、経験値をもっと第三者が理解しやすく伝えられれば技術も継承していけるし、80点の職人、80点の芸術家は作れるのではないでしょうか。『VR師匠』で実現してほしいのは、芸術や表現などを仕事にする職業的芸術家。お客様から題材をもらってそれを解決するという仕事には、このやり方が一番合っていると思っています」

さらに、企業に向けたVR視察、教育機関とコラボしてVRゼミなど、大仁田さんの構想は果てしなく広がっていく。

 

アナログだからこそ

「いくら時代が便利になっても、映像に携わる私たちがやってきた『アナログ表現で人に喜んでもらう事』が、デジタルの中で生きる武器だと思うし、映像を通じたモノづくりの楽しさだと思います。

これから未知の海に公開していくような、第二章というイメージなんです。天邪鬼だから、他人が書いたシナリオではない世界にワクワクしているんです」

多角的な映像経験を持つ職人、大仁田さんは無邪気に笑った。

 

お問い合わせ先

株式会社コーホー部代表取締役

大仁田 英貴さん

〒8100001福岡市中央区天神2-3-36ibbfukuokaビル304号

WEB:http://kohobu.jp

TEL:092-986-9671

 

この記事を書いた人

原武(さくらもち制作部)

さくらの森の会報誌「さくらもち」の企画編集、執筆、写真を担当。

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