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2019年02月19日

【極み職人 vol.15】九州生まれの雪国生活名人は、やんちゃ盛り四人の子育てママ

原武(さくらもち制作部)

毎月芸術的な職人技とその人柄に迫るこのコーナー『極み職人』。

私たちの身近には、職人ならではのこだわり、極めた技、その背景にある魅力的な人柄をお持ちの方が多くいらっしゃいます。

そんな方々をご紹介し、職人としての想いに触れることで、新たな発見、刺激や気づきになるコーナーになれたら嬉しいです。

 

今回ご紹介させていただく職人さんはこの方!(写真左)

 

 

雪国専門ファッション誌「スワガー」プロデューサー
子育て相互支援団体かえりん主宰
星野 恵(ほしの めぐみ)さん

 

本当に多忙な人は、そのそぶりを見せない。次から次に舞い込む仕事を、まるで楽しんでいるようにさえ見える。

今回ご紹介する星野恵さんも、そんなお一人。四人の子育てをするだけでも頭がいっぱいになりそうなのに、家の事と仕事を両立させているスーパー主婦。しかも、その仕事は労働時間の切り売りではなく、驚くことに経営レベルのものばかりだ。

「困った」をチャンスに磨き変える達人とも言えるその思考の源泉を見せてもらおうと、活動拠点である札幌を訪ねた。

 

雪国では当たり前

「夫の転勤で初めて札幌に来た時、雪国の人たちはみんなどうしてるんだろうと思ったんです」

九州生まれで九州育ちの星野さんは、ただの防寒具では歯が立たぬ雪国の環境に驚かされた。そのことが、星野さんを中心に発行された雪国専門ファッション誌『swg』を作るきっかけとなる。

「雪国の冬は氷上で生活しているようなもの」と語る星野さん。

雪国の人たちが当たり前に生活している状態は、他地域の人たちには想像もつかないものだという。

例えば、単に防寒性から衣類を選ぶと、おしゃれとは程遠いものになってしまう。かといって、ファッション性重視で選べば、とても寒さに耐えられないどころか、安全面でさえおぼつかない。靴ひとつ選ぶにしても、氷をしっかりと噛む底をもちながら、おしゃれを楽しめるものが望まれる。

 

 

今まで、そのような雪国ファッションの楽しみ方は、それぞれが独自に編み出したものであって、決して共有されてはいなかった。

「こんなものだ」ち誰もが思っていたのだ。それを九州育ちの星野さんは、「そういう楽しみ方もあるのか!」と雪国で生活する人たちで共有できる一つの媒体として、雪国専門ファッション誌を発行することにした。

しかし、星野さんは、出版や編集に関しては全くの素人。いくら周りからの切望があっても、「できるだろうか?」というところからの始まりだったという。

多くの賛同者の協力を得て昨年(2019年)10月末に創刊したばかりだが、今まであるようでなかった新しい取り組みに、各メディアもこぞって注目している。

 

 

おさがり交換会

楽し気に日々の仕事のことや、九州人では理解しえない雪国の大変な生活の事を話す星野さんだったが、事の始まりに関してはその顔つきが変わった。

本誌掲載中の漫画「けい子とえい太」でも取り上げている題材、子育て主婦の悩み。星野さんのご友人にも、子育て鬱に苦しんだ方がいた。残念ながら、その方は自らの命を絶った。

「もっと話を聞いてあげられたら」と後悔した星野さんは、それを機に、家に閉じこもりがちな子育て主婦たちが、気軽に外に出られる機会を作ろうと考えたのだ。

それが、自らも小さい子供を持つ主婦だからこそ思いついたイベントだった。少子化やご近所付き合いが少なくなった現在、なかなか実現しないが、あるととてもありがたいもの、「おさがり」。

いろんな心の抵抗やわずらわしさから、ためらう人もいる。しかし、ただでさえお金がかかるこの年ごろの子供服、ましてや雪国使用だと…。

子供服のおさがり交換会に来場することによって、同じ悩みを持つ者同士、少しでもコミュニケーションの機会が増えればと。

交換会だけでは、決して子育て鬱問題の根本的な解決策にはならないかもしれないが、友人が亡くなったことの衝撃を自分の中で少しでも緩和できればと、この活動を続けているという。

そして「でも、やはりお母さんと一緒にいるはずのお父さんの理解が一番重要なんですよ」と星野さんは続ける。そこで、子育て世帯の旦那様方へ向けてのセミナーも企画中。「イクメンの次はイクボス(子育てに理解を示す組織の長)ですよ」と息巻いた。

 

不幸は繰り返さない

子育てにしても雪国の生活にしても、聞いただけでは、その苦労を真の意味で理解はできないかもしれない。ただ、雪国の人が「当たり前」と思って口にもしないことが、九州育ちの人だからこその視点から話すことで伝わった部分は多いように思う。同様に子育てに関しても、周りの人たちとの相互理解に関しては、まだまだよくできる余地がある。不幸な出来事は繰り返したくない。

取材に伺った11月末の札幌。星野さんから伺った話を通して、白銀の華やかさと背中合わせの雪国の厳しさを改めて感じる旅となった。

 

問合せ先

雪国専門ファッション誌「swg」(スワガー)プロデューサー

子育て相互支援団体かえりん主宰

星野 恵(ほしの めぐみ)さん

■WEB:雪国専門ファッション誌「swg」

https://sapporoswg.base.shop

■WEB:子育て相互支援団体かえりん

https://ameblo.jp/kaerim

この記事を書いた人

原武(さくらもち制作部)

さくらの森の会報誌「さくらもち」の企画編集、執筆、写真を担当。

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