スタッフブログ
2019年03月19日
【極み職人 vol.17】昭和ロマンの収集がシャッター商店街を救った
さくら便り
志をもって道を極める方たちの人柄に迫る『極み職人』のコーナー。
「極み職人」の想いに触れることで、新たな発見、刺激や気づきになれば嬉しいです。
今回ご紹介させていただく職人さんはこの方!
豊後高田昭和の町・ロマン蔵館長
小宮 裕宣(こみや ひろのぶ)さん
時代に取り残された街
大分県に豊後高田(ぶんごたかだ)という地域がある。奈良時代から平安時代には宇佐神宮の荘園として、それ以降も瀬戸内海との交通の拠点として古くから発展した場所。県北東部の国東(くにさき)半島は奈良や京都に次ぐ仏の国としても有名だ。豊後高田は、その国東半島で江戸時代から昭和30年代にかけて一番栄えた街でもある。
しかし、時代の波には勝てず、いくつもの筋があった商店街は大型商業施設の台頭で、多分に漏れずシャッター商店街となっていた。
それを憂いた役所の若者。彼らが中心に進める市街地活性化の柱に考えたのは、時代に取り残された古き良き時代の面影を残す町並みだ。20年ほど前の事だ。
アパートの駄菓子屋で
そのころ、遠く離れた福岡の地で、想像を超えるメディアの影響によって自身の駄菓子屋が注目されていた小宮さん。
アパートの一室がタイムスリップしたような駄菓子屋。適当な物件がなかった為仮店舗のつもりで営業していたが、かえってそれが注目を浴びた。小宮さんはこの店の装飾として、古い売れ残りのおもちゃを買いあさり始めた。そのうち、おもちゃへの目が肥えはじめ、10品目仕入れたうちの1は売るが、9は売りたくなくなってくる。そして保管するレトロコレクションは倉庫をかりながら35万点を超えるようになっていった。
そしてついに、奥様から「そろそろ倉庫代が払えないんだけど」と打ち明けられる。
店の常連客だった大学の先生にそのことを話してみたところ、太宰府天満宮の参道でおもちゃ屋を営んでいるご婦人を紹介された。偶然にも小宮さんの店の客だったその方の提案は、「店の2階があいてるから、そこでおもちゃの博物館をしたらいいよ」というものだった。
縁もゆかりもない人
縁とは異なもの。そこに先述の豊後高田の青年が巡り合う。
彼らは商店街の看板やドアを修復し、昭和の街並みを復活させていったが、観光客を呼び込むには中心となる施設が必要だと考えた。そして、その目玉に昭和のおもちゃ博物館をと小宮さんのコレクションに白羽の矢が立ったのだ。
豊後高田は小宮さんにとっては縁もゆかりもない土地だったが、市役所、商工会をはじめ、たくさんの人たちの熱意に負け、ついに奥様の承諾を得ないままおもちゃ博物館の創設を引き受けてしまった。
あっ、これ持ってた!
こんなにも小宮さんを魅了し、豊後高田の人を動かした懐かしのおもちゃとはどんなものだろう。いよいよご対面だ!
元は米倉だったという施設は、北蔵に小学校の教室(昭和の夢町小学校)と民家(昭和の夢町3丁目館)を再現、南蔵には大分の郷土料理が楽しめるレストランがある。外に並ぶ懐かしい車を横目にその間を抜けて、正面の東蔵に入る。チームラボの隣に、目指す「駄菓子屋の夢博物館」があった。そこには私の想像を超えた広さとアイテムが並んでいた。
ブリキ看板、怪獣のソフトビニール人形、駄菓子のおまけや外箱、レコード、メンコ。小宮さんが「ありとあらゆるもの」と言った意味がわかった。説明するときりがないので、掲載写真から推測して頂きたい。
しかし、小宮さんは「決して高価なものばかりではないんです」と言う。確かに「未開封新品」は見当たらない。そこには小宮さんの想いがこもっていた。
宝箱がここに
知人の結婚披露宴に行ったとき、親が大切に保管していた物、子供が幼いころのおもちゃや絵を箱に入れて渡していた。
誰にでもそれぞれに思い出の品がある。おばあちゃんがご褒美に買ってくれたお菓子の包み紙、友達と取り合いになって喧嘩したカード、部活の帰りにいつも飲んでた缶飲料。おもちゃそのものというよりもそれにまつわる思い出、「それこそが宝なんです」と小宮さんは言う。
同行したコンシェルジュの宮﨑は先日母親とここを訪れたときに、母親自身の生い立ちを初めて聞く機会を得た。私も父の乗っていた車のポスターを見つけ、そのころの父とのやりとりがよみがえった。まさにここは夢の宝箱だ。
そして小宮さんは、私たちの思い出を引き出すネタをたくさん用意してくれる夢先案内人だ。
詳しくはこちら
小宮さんのコレクションが見られる「昭和ロマン蔵」とレトロ感たっぷりの豊後高田市の観光について…
昭和の町のテーマパーク「昭和ロマン蔵」
https://www.showanomachi.com/special/roman.html
昭和の町・豊後高田市公式観光サイト
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