健康コラム

2024年08月05日
【なるほど健康知識8月号】放っておくと危険!?適切に対処する「便秘」の基礎知識
健康コラム
2024年08月05日
【なるほど健康知識8月号】放っておくと危険!?適切に対処する「便秘」の基礎知識

この記事を書いたスタッフ

企画部 毛利

30歳を過ぎてから、なぜか年齢とともにますますアクティブに! 登山、マラソン、バイクツーリング……などなど、仕事も趣味も全力で楽しみます♪

多くの人が悩んでいる便秘。

放っておくと、不調が続いて日常生活に支障をきたすばかりか、大きな病気の引き金になることも。

一口に便秘といっても、状態は人それぞれ。

自分のタイプを知って適切に対処することが大切です。

便秘の自覚ある人の人数.png

便秘で上がる!?死亡リスク

近年の研究によれば、便秘によって心疾患や脳血管疾患のリスクが高まることがわかっています。

4日に1回以下しか排便しない人は、1日1回以上排便する人に比べて、狭心症・心筋梗塞で死亡する危険性が1.45倍、脳卒中で死亡する危険性が2.19倍にもなるのです。

便秘と生存率.png

便秘の定義

便秘とは、便を体外へ十分に出し切れない状態のこと。

「何日間に一回しか排便がないと便秘」といったような明確な基準はなく、体内の便をスッキリと排出できているかどうかが判断のポイントです。

次のような症状が続く場合は早めの改善を意識しましょう。

便秘の主な症状

●排便が少なくなった

●お腹が張って苦しい

●排便してもスッキリしない

●オナラがよく出る

●便意はあるけど排便できない

●吐き気がある

●お腹が痛い

●食欲がない

便.png

次のような症状が出ている場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

こんな症状が出たら要注意!

●発熱

●ひどい腹痛、嘔吐

●血便、便の色の異常(タール状や粘液性の便も)

●足の付け根、おへそなどが盛り上がっている

嘔吐.png

便秘の種類

便秘の原因は、大きく4種類に分類されます。

症状に合った対処をするためにも、自分の便秘の種類を把握しましょう。

type1
器質性便秘

腸閉塞(イレウス)、大腸がん、腸管癒着などで腸管が狭くなるなど、物理的な障害によって便が通りにくくなることで起こる。血便、激しい腹痛、嘔吐などを伴う場合はすぐに病院の診察を受けてください。

type2
症候性便秘

甲状腺機能低下症や副甲状腺機能亢進症、糖尿病合併症など、ホルモンや神経の働きの異常により腸管のぜん動運動が弱くなることで起こる。

type3
薬剤性便秘

抗うつ薬、抗コリン薬(ぜん息や前立腺肥大症などの薬)、せき止め薬などの副作用でぜん動運動が抑えられることで起こる。

type4
機能性便秘

最も多いタイプの便秘で三種類に分けられる。大腸や直腸の働きが低下することで起こる。

●弛緩性便秘
腸管の緊張がゆるんで、ぜん動運動が低下して便を送り出す力が弱くなるため、大腸内の便が長く留まって過剰に水分が吸収されて硬くなる。

主な原因
運動不足・過度なダイエット水分不足・食生活の乱れ

●痙攣性便秘
大腸の一部が痙攣してぜん動運動が不規則になり、スムーズに便が運ばれなくなる。腸の動きが悪くなるため、便秘と下痢を交互に繰り返すことが多い。

主な原因
ストレス(環境の変化、過敏性腸症候群)

●直腸性便秘
通常、大腸から直腸に便が送られると神経刺激が大脳に伝わり、便意を感じる排便反射が起こるが、神経が鈍くなることで便意を感じなくなり、腸内に便が長くとどまってしまう。高齢者や寝たきりの人、痔や恥ずかしさなどの理由で排便を我慢する人に多い。

主な原因
便意の我慢・浣腸の乱用・ウォシュレットにより肛門の神経が鈍ること
便秘薬の選び方

便秘の原因はストレスや生活習慣、筋力の低下、大腸のぜん動運動の低下など実にさまざま。

運動や食事、生活習慣の見直しでなかなか改善しない場合は、我慢をせず適切な医薬品を服用し、慢性化を防ぎましょう。

便秘治療に使われる下剤は、作用メカニズムによって主に4種類に分けられます。

塩類下剤
腸内に水分を集め、便を軟らかくする。お腹も痛くなりにくく、痙攣性の便秘などにも適している。十分な量の水で服用すると、より効果を発揮。
膨潤性下剤
もともとの便自体の量が少ない場合に、便を多量の水分をで膨張させ腸管を刺激することで排便を促す。くせになりにくいが、人によってはお腹が張るだけで効果が出にくいことも。
浸潤性下剤
界面活性作用によって便の表面張力を低下させ、水分を引き込んで便を柔らかく、滑りやすくする。
刺激性下剤
腸管に直接刺激を与え、大腸の運動を活発化させる。痙攣性の便秘には使わない。即効性に優れており、とにかく、すぐにでもスッキリ出したいという方に適している。

同じ種類の下剤を連用すると、精神的な依存や腸の筋力低下などから、習慣性になったり、効きにくくなったりするため、作用の異なる下剤に変えたり、徐々に減量することが大切です。

また、防風通聖散、カンゾウなどの漢方や、腸内環境のバランスを整えて便秘・軟便の両方の症状を改善する乳酸菌ビフィズス菌を使った整腸剤などもおすすめです。

この記事を書いたスタッフ

企画部 毛利

30歳を過ぎてから、なぜか年齢とともにますますアクティブに! 登山、マラソン、バイクツーリング……などなど、仕事も趣味も全力で楽しみます♪

多くの人が悩んでいる便秘。

放っておくと、不調が続いて日常生活に支障をきたすばかりか、大きな病気の引き金になることも。

一口に便秘といっても、状態は人それぞれ。

自分のタイプを知って適切に対処することが大切です。

便秘の自覚ある人の人数.png

便秘で上がる!?死亡リスク

近年の研究によれば、便秘によって心疾患や脳血管疾患のリスクが高まることがわかっています。

4日に1回以下しか排便しない人は、1日1回以上排便する人に比べて、狭心症・心筋梗塞で死亡する危険性が1.45倍、脳卒中で死亡する危険性が2.19倍にもなるのです。

便秘と生存率.png

便秘の定義

便秘とは、便を体外へ十分に出し切れない状態のこと。

「何日間に一回しか排便がないと便秘」といったような明確な基準はなく、体内の便をスッキリと排出できているかどうかが判断のポイントです。

次のような症状が続く場合は早めの改善を意識しましょう。

便秘の主な症状

●排便が少なくなった

●お腹が張って苦しい

●排便してもスッキリしない

●オナラがよく出る

●便意はあるけど排便できない

●吐き気がある

●お腹が痛い

●食欲がない

便.png

次のような症状が出ている場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

こんな症状が出たら要注意!

●発熱

●ひどい腹痛、嘔吐

●血便、便の色の異常(タール状や粘液性の便も)

●足の付け根、おへそなどが盛り上がっている

嘔吐.png

便秘の種類

便秘の原因は、大きく4種類に分類されます。

症状に合った対処をするためにも、自分の便秘の種類を把握しましょう。

type1
器質性便秘

腸閉塞(イレウス)、大腸がん、腸管癒着などで腸管が狭くなるなど、物理的な障害によって便が通りにくくなることで起こる。血便、激しい腹痛、嘔吐などを伴う場合はすぐに病院の診察を受けてください。

type2
症候性便秘

甲状腺機能低下症や副甲状腺機能亢進症、糖尿病合併症など、ホルモンや神経の働きの異常により腸管のぜん動運動が弱くなることで起こる。

type3
薬剤性便秘

抗うつ薬、抗コリン薬(ぜん息や前立腺肥大症などの薬)、せき止め薬などの副作用でぜん動運動が抑えられることで起こる。

type4
機能性便秘

最も多いタイプの便秘で三種類に分けられる。大腸や直腸の働きが低下することで起こる。

●弛緩性便秘
腸管の緊張がゆるんで、ぜん動運動が低下して便を送り出す力が弱くなるため、大腸内の便が長く留まって過剰に水分が吸収されて硬くなる。

主な原因
運動不足・過度なダイエット水分不足・食生活の乱れ

●痙攣性便秘
大腸の一部が痙攣してぜん動運動が不規則になり、スムーズに便が運ばれなくなる。腸の動きが悪くなるため、便秘と下痢を交互に繰り返すことが多い。

主な原因
ストレス(環境の変化、過敏性腸症候群)

●直腸性便秘
通常、大腸から直腸に便が送られると神経刺激が大脳に伝わり、便意を感じる排便反射が起こるが、神経が鈍くなることで便意を感じなくなり、腸内に便が長くとどまってしまう。高齢者や寝たきりの人、痔や恥ずかしさなどの理由で排便を我慢する人に多い。

主な原因
便意の我慢・浣腸の乱用・ウォシュレットにより肛門の神経が鈍ること
便秘薬の選び方

便秘の原因はストレスや生活習慣、筋力の低下、大腸のぜん動運動の低下など実にさまざま。

運動や食事、生活習慣の見直しでなかなか改善しない場合は、我慢をせず適切な医薬品を服用し、慢性化を防ぎましょう。

便秘治療に使われる下剤は、作用メカニズムによって主に4種類に分けられます。

塩類下剤
腸内に水分を集め、便を軟らかくする。お腹も痛くなりにくく、痙攣性の便秘などにも適している。十分な量の水で服用すると、より効果を発揮。
膨潤性下剤
もともとの便自体の量が少ない場合に、便を多量の水分をで膨張させ腸管を刺激することで排便を促す。くせになりにくいが、人によってはお腹が張るだけで効果が出にくいことも。
浸潤性下剤
界面活性作用によって便の表面張力を低下させ、水分を引き込んで便を柔らかく、滑りやすくする。
刺激性下剤
腸管に直接刺激を与え、大腸の運動を活発化させる。痙攣性の便秘には使わない。即効性に優れており、とにかく、すぐにでもスッキリ出したいという方に適している。

同じ種類の下剤を連用すると、精神的な依存や腸の筋力低下などから、習慣性になったり、効きにくくなったりするため、作用の異なる下剤に変えたり、徐々に減量することが大切です。

また、防風通聖散、カンゾウなどの漢方や、腸内環境のバランスを整えて便秘・軟便の両方の症状を改善する乳酸菌ビフィズス菌を使った整腸剤などもおすすめです。

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