さくらの森コラム
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この記事を書いたスタッフ
さくらの森
葉山生命科学研究所所長、眼科医 葉山隆一
[はやま・りゅういち]----1975年、新潟大学医学部卒業。大学附属病院医長を務めた後、1985年に米国留学。愛和病院副院長を経て、葉山眼科クリニックを開院。葉山生命科学研究所所長として研究活動を行う。著書に『医者がお手上げだった目の病気の次世代栄養素』(メタモル出版)など。
今回は、米国での研究をもとに誕生した葉山式栄養療法について事例を交えて解説します。
前回の記事では、葉山先生が眼科医になる道のりから栄養療法の重要性ついてインタビューしました。
前回の記事はこちら
こんなことに、心当たりはありませんか?
「食事中にコップを倒してしまう」
「読書中に読み飛ばしをしてしまう」
「歩行中に柱や人にぶつかってしまう」
これらの行動に心当たりのある方は、緑内障を発症している可能性があります。
緑内障の進行を防ぐためには眼圧の管理が不可欠ですが、眼圧が基準値だからといって安心はできません。日本人の場合は、眼圧が基準値で起こる「正常眼圧緑内障」の患者さんが多いことがわかっているのです。
眼圧だけじゃない!目の血流の状態も重視しています
多くの眼科では、緑内障を診察する際に眼圧を重視していますが、私は目の血流の状態も重視しています。
なぜなら、目の健康を維持する上で欠かせない酸素と栄養素は血液によって網膜中心動脈を経由し、毛細血管から視神経へと届けるからです。網膜周辺の血流が悪化すると、視神経が酸素・栄養不足になり、機能の低下を招くと考えられます。
つまり、緑内障の予防・改善するには眼圧を安定させるだけでなく、目の血流の低下を防ぐことも重要なのです。
抗酸化作用のある
「アントシアニン(ビルベリー由来)」に注目!
ハーバード大学で学んだ経験をもとに、ブルベリーの野生種であるビルベリーの抗酸化作用に注目しました。ビルベリーは北欧に自生するツツジ科の植物で、濃い青色や紫色の果実をつけます。
鮮やかな色の正体は、抗酸化作用が極めて強いアントシアニンという植物色素で、活性酸素の発生を防ぐ働きがあるのです。
効果を確かめる試験を実施!
クリニックに来院していた視力障害のある患者さん38人(年齢は52〜72歳)を対象にアントシアニンを6ヶ月間飲んでもらいました。
その結果、全員の網膜動脈で血流量の増加が確認されたのです。患者さんたちの視力障害の変化も調べてみると、全員の症状が軽快していることが分かりました。
中には、軽度の正常眼圧緑内障の患者さんが5人いらっしゃいました。5人の眼圧の変化を確認したところ、飲む前の眼圧の平均が17.98ミリ水銀柱だったのに対し、4ヶ月後の数値は15.28ミリ水銀柱と大幅に下がっていました。
この試験によって、アントシアニンは緑内障に十分な効果が期待できることが明らかになったのです。
視力向上&ゆがみ改善!
こんなことに、心当たりはありませんか?
「新聞の文字がかすんで読みづらい」
「視野の中心が黒ずんで見える」
「線がゆがんで見える」
これらの行動に心当たりのある方は、加齢黄斑変性(以下、黄斑変性と略す)を発症している可能性があります。
両目で見てしまうと異常に気付けない!?
黄斑変性が左右同時に発症することはほとんどなく、まずは片方の目に起こります。反対側の正常な目が見えづらさを補正してしまうため、両目で見てしまうと視野や視覚の異常に気づきにくいのです。片目ずつセルフチェックを行い、歪みや欠損などを早期に発見することが重要です。
食生活の欧米化で進む黄斑変性
黄斑変性は欧米人に多い眼病として知られてきましたが、近年では日本国内の患者数も急増しています。その理由として、食生活の欧米化を挙げられます。欧米型の食事は、動物性脂肪の多い高カロリー食が中心になることが多く、とりすぎると血液中に中性脂肪や悪玉コレステロールが増えるようになります。その結果、血管壁がもろく、弾力が失われて動脈硬化(血管の老化)が進行していくのです。
目は動脈硬化の影響を受けやすい
細かい血管が集まっている目の網膜は動脈硬化の影響を受けやすく、視神経に酸素や栄養素が行き渡りにくくなります。すると、血流の悪さを補おうと「新生血管」という急造の血管が作られます。新生血管は通常の血管よりもろく、簡単に敗れてしまいます。新生血管から漏れた血液や血の塊が黄斑部を圧迫すると網膜の視神経が壊死するため、黄斑編成の発症に繋がります。
抗酸化作用のある「ルテイン」に注目!
ルテインは、水晶体や黄斑部に存在する天然色素で、強い抗酸化作用があります。目の細胞にダメージを与える活性酸素を抑える大切な働きを持つルテインですが、体内で作り出すことができないため食事から摂取する必要があります。
ハーバード大学留学時代に研究チームに所属した、思い入れのある栄養素です
ルテインで新生血管が消失し、視界のゆがみも改善!
黄斑変性の患者さん30人(26歳〜90歳、平均年齢63歳)を対象に、通常の治療と並行して3ヶ月飲んでもらいました。
その結果、30人全員の視力が回復し、視界のゆがみやぼやけといった黄斑変性に特徴的な諸症状も改善していました。
しかも、30人のうち4人の患者さんは、視界のゆがみが完全に治っていることも分かったのです。30人の患者さんの眼底の状態を調べてみると、ほぼ全員の網膜から新生血管が減少・消失していることが確認できました。
多くの黄斑変性の患者さんは黄斑部が出血して、その周囲は変性脂質の塊で覆われています。ところが、変性脂質が溶かされ、きれいになくなっていたのです。
黄斑変性の対策には食生活の見直しが重要ですが、ルテインを摂取する習慣を加えることで、進行の予防や治療効果の向上が期待できるでしょう。
ルテインとクロセチンが有効
こんなことに、心当たりはありませんか?
「手元近くの文字がぼやけて読みにくい」
「細かい文字を読む時、視界がかすむ」
「朝はよく見えるけど。夕方になると見えづらくなる」
これらは老眼によって起こる症状の一例です。
目のピントが合わない老眼は、水晶体と毛様体筋の老化が原因
40〜50代を境に始まる老眼は、主に2つの器官の老化によって起こります。
①水晶体の白濁・硬化
水晶体は、目の中でレンズの役割を担っている器官で、ほぼ無色透明なゼリー状のたんぱく質です。しかし、加齢をはじめ、過剰な紫外線や喫煙習慣、物理的衝撃などによって活性酸素が発生すると、徐々に白く濁ったり硬くなったりします。硬くなった水晶体は柔軟性が失われてピントの調節がしにくくなってしまうのです。
②毛様体筋の老化
水晶体の厚さを調節する毛様体筋も加齢によって衰えていきます。その結果、緊張と緩和のために欠かせない目の筋力が弱くなり、ピント調節のために水晶体の厚さをスムーズに変えることができなくなるのです。
抗酸化作用のある「ルテイン」と
毛様体筋の血流を向上させる「クロセチン」に注目!
私が米国で研究したルテインはカロテノイドの一種で、強力な抗酸化作用から活性酸素を除去する働きが認められています。
クロセチンは、クチナシの実に含まれるカロテノイドで、毛様体筋の周囲の血流を活発にして酸素と栄養素を十分に行き渡らせます。クチナシ由来のクロセチンを摂取することで、毛様体筋の緊張が取れやすくなり、老眼の改善が期待できるのです。
目の血流量が改善し毛様体筋の緊張も取れて
ピント調節機能が向上
私はこれまで約3,000人の老眼の方にルテインとクロセチンを飲んでもらいました。
「近くが見えやすくなった」
「目が疲れなくなった」
「老眼鏡を使わずに新聞が読めるようになった」
といった驚きと喜びの声が届いています。
「OBF」という特殊な機器を使い、老眼に悩んでいた男性(当時53歳)の目の血流量を測りました。その結果、ルテインとクロセチンを飲んでわずか一時間後に目の血流量が健康な人と同じ程度まで回復。さらに、飲み続けたところ、老眼の症状も解消したのです。
さらに私は、「トライイリス」という機器を使い、患者さんの瞳孔の伸縮力を調べることにしました。瞳孔は明るい場所では小さくなり、暗い場所では大きくなって目の中に入る光の量を調節しています。目の筋肉の血流量が増加すれば、瞳孔の動きも改善すると考えられます。
ルテインとクロセチンを飲んで一時間後には、両目ともに瞳孔の動きが活発になり、目のピント調節機能が高まったことが確認できました。ルテインとクロセチンによって、目の血流量が大幅に増加し、目の筋肉の動きが短時間で回復したと考えられます。
試験の結果から、老眼に悩む中高年をはじめ、すでに白内障と診断されている高齢者の方にルテインとクロセチンを試していただきたいと思っています。
講演などを含めると、40年間で50万人以上が実践したとされる葉山式栄養療法
その多くが効果を実践していると葉山医師は話す


この記事を書いたスタッフ
さくらの森
葉山生命科学研究所所長、眼科医 葉山隆一
[はやま・りゅういち]----1975年、新潟大学医学部卒業。大学附属病院医長を務めた後、1985年に米国留学。愛和病院副院長を経て、葉山眼科クリニックを開院。葉山生命科学研究所所長として研究活動を行う。著書に『医者がお手上げだった目の病気の次世代栄養素』(メタモル出版)など。
今回は、米国での研究をもとに誕生した葉山式栄養療法について事例を交えて解説します。
前回の記事では、葉山先生が眼科医になる道のりから栄養療法の重要性ついてインタビューしました。
前回の記事はこちら
こんなことに、心当たりはありませんか?
「食事中にコップを倒してしまう」
「読書中に読み飛ばしをしてしまう」
「歩行中に柱や人にぶつかってしまう」
これらの行動に心当たりのある方は、緑内障を発症している可能性があります。
緑内障の進行を防ぐためには眼圧の管理が不可欠ですが、眼圧が基準値だからといって安心はできません。日本人の場合は、眼圧が基準値で起こる「正常眼圧緑内障」の患者さんが多いことがわかっているのです。
眼圧だけじゃない!目の血流の状態も重視しています
多くの眼科では、緑内障を診察する際に眼圧を重視していますが、私は目の血流の状態も重視しています。
なぜなら、目の健康を維持する上で欠かせない酸素と栄養素は血液によって網膜中心動脈を経由し、毛細血管から視神経へと届けるからです。網膜周辺の血流が悪化すると、視神経が酸素・栄養不足になり、機能の低下を招くと考えられます。
つまり、緑内障の予防・改善するには眼圧を安定させるだけでなく、目の血流の低下を防ぐことも重要なのです。
抗酸化作用のある
「アントシアニン(ビルベリー由来)」に注目!
ハーバード大学で学んだ経験をもとに、ブルベリーの野生種であるビルベリーの抗酸化作用に注目しました。ビルベリーは北欧に自生するツツジ科の植物で、濃い青色や紫色の果実をつけます。
鮮やかな色の正体は、抗酸化作用が極めて強いアントシアニンという植物色素で、活性酸素の発生を防ぐ働きがあるのです。
効果を確かめる試験を実施!
クリニックに来院していた視力障害のある患者さん38人(年齢は52〜72歳)を対象にアントシアニンを6ヶ月間飲んでもらいました。
その結果、全員の網膜動脈で血流量の増加が確認されたのです。患者さんたちの視力障害の変化も調べてみると、全員の症状が軽快していることが分かりました。
中には、軽度の正常眼圧緑内障の患者さんが5人いらっしゃいました。5人の眼圧の変化を確認したところ、飲む前の眼圧の平均が17.98ミリ水銀柱だったのに対し、4ヶ月後の数値は15.28ミリ水銀柱と大幅に下がっていました。
この試験によって、アントシアニンは緑内障に十分な効果が期待できることが明らかになったのです。
視力向上&ゆがみ改善!
こんなことに、心当たりはありませんか?
「新聞の文字がかすんで読みづらい」
「視野の中心が黒ずんで見える」
「線がゆがんで見える」
これらの行動に心当たりのある方は、加齢黄斑変性(以下、黄斑変性と略す)を発症している可能性があります。
両目で見てしまうと異常に気付けない!?
黄斑変性が左右同時に発症することはほとんどなく、まずは片方の目に起こります。反対側の正常な目が見えづらさを補正してしまうため、両目で見てしまうと視野や視覚の異常に気づきにくいのです。片目ずつセルフチェックを行い、歪みや欠損などを早期に発見することが重要です。
食生活の欧米化で進む黄斑変性
黄斑変性は欧米人に多い眼病として知られてきましたが、近年では日本国内の患者数も急増しています。その理由として、食生活の欧米化を挙げられます。欧米型の食事は、動物性脂肪の多い高カロリー食が中心になることが多く、とりすぎると血液中に中性脂肪や悪玉コレステロールが増えるようになります。その結果、血管壁がもろく、弾力が失われて動脈硬化(血管の老化)が進行していくのです。
目は動脈硬化の影響を受けやすい
細かい血管が集まっている目の網膜は動脈硬化の影響を受けやすく、視神経に酸素や栄養素が行き渡りにくくなります。すると、血流の悪さを補おうと「新生血管」という急造の血管が作られます。新生血管は通常の血管よりもろく、簡単に敗れてしまいます。新生血管から漏れた血液や血の塊が黄斑部を圧迫すると網膜の視神経が壊死するため、黄斑編成の発症に繋がります。
抗酸化作用のある「ルテイン」に注目!
ルテインは、水晶体や黄斑部に存在する天然色素で、強い抗酸化作用があります。目の細胞にダメージを与える活性酸素を抑える大切な働きを持つルテインですが、体内で作り出すことができないため食事から摂取する必要があります。
ハーバード大学留学時代に研究チームに所属した、思い入れのある栄養素です
ルテインで新生血管が消失し、視界のゆがみも改善!
黄斑変性の患者さん30人(26歳〜90歳、平均年齢63歳)を対象に、通常の治療と並行して3ヶ月飲んでもらいました。
その結果、30人全員の視力が回復し、視界のゆがみやぼやけといった黄斑変性に特徴的な諸症状も改善していました。
しかも、30人のうち4人の患者さんは、視界のゆがみが完全に治っていることも分かったのです。30人の患者さんの眼底の状態を調べてみると、ほぼ全員の網膜から新生血管が減少・消失していることが確認できました。
多くの黄斑変性の患者さんは黄斑部が出血して、その周囲は変性脂質の塊で覆われています。ところが、変性脂質が溶かされ、きれいになくなっていたのです。
黄斑変性の対策には食生活の見直しが重要ですが、ルテインを摂取する習慣を加えることで、進行の予防や治療効果の向上が期待できるでしょう。
ルテインとクロセチンが有効
こんなことに、心当たりはありませんか?
「手元近くの文字がぼやけて読みにくい」
「細かい文字を読む時、視界がかすむ」
「朝はよく見えるけど。夕方になると見えづらくなる」
これらは老眼によって起こる症状の一例です。
目のピントが合わない老眼は、水晶体と毛様体筋の老化が原因
40〜50代を境に始まる老眼は、主に2つの器官の老化によって起こります。
①水晶体の白濁・硬化
水晶体は、目の中でレンズの役割を担っている器官で、ほぼ無色透明なゼリー状のたんぱく質です。しかし、加齢をはじめ、過剰な紫外線や喫煙習慣、物理的衝撃などによって活性酸素が発生すると、徐々に白く濁ったり硬くなったりします。硬くなった水晶体は柔軟性が失われてピントの調節がしにくくなってしまうのです。
②毛様体筋の老化
水晶体の厚さを調節する毛様体筋も加齢によって衰えていきます。その結果、緊張と緩和のために欠かせない目の筋力が弱くなり、ピント調節のために水晶体の厚さをスムーズに変えることができなくなるのです。
抗酸化作用のある「ルテイン」と
毛様体筋の血流を向上させる「クロセチン」に注目!
私が米国で研究したルテインはカロテノイドの一種で、強力な抗酸化作用から活性酸素を除去する働きが認められています。
クロセチンは、クチナシの実に含まれるカロテノイドで、毛様体筋の周囲の血流を活発にして酸素と栄養素を十分に行き渡らせます。クチナシ由来のクロセチンを摂取することで、毛様体筋の緊張が取れやすくなり、老眼の改善が期待できるのです。
目の血流量が改善し毛様体筋の緊張も取れて
ピント調節機能が向上
私はこれまで約3,000人の老眼の方にルテインとクロセチンを飲んでもらいました。
「近くが見えやすくなった」
「目が疲れなくなった」
「老眼鏡を使わずに新聞が読めるようになった」
といった驚きと喜びの声が届いています。
「OBF」という特殊な機器を使い、老眼に悩んでいた男性(当時53歳)の目の血流量を測りました。その結果、ルテインとクロセチンを飲んでわずか一時間後に目の血流量が健康な人と同じ程度まで回復。さらに、飲み続けたところ、老眼の症状も解消したのです。
さらに私は、「トライイリス」という機器を使い、患者さんの瞳孔の伸縮力を調べることにしました。瞳孔は明るい場所では小さくなり、暗い場所では大きくなって目の中に入る光の量を調節しています。目の筋肉の血流量が増加すれば、瞳孔の動きも改善すると考えられます。
ルテインとクロセチンを飲んで一時間後には、両目ともに瞳孔の動きが活発になり、目のピント調節機能が高まったことが確認できました。ルテインとクロセチンによって、目の血流量が大幅に増加し、目の筋肉の動きが短時間で回復したと考えられます。
試験の結果から、老眼に悩む中高年をはじめ、すでに白内障と診断されている高齢者の方にルテインとクロセチンを試していただきたいと思っています。
講演などを含めると、40年間で50万人以上が実践したとされる葉山式栄養療法
その多くが効果を実践していると葉山医師は話す


