健康コラム

2024年03月05日
【なるほど健康知識3月号】正しく対処できていますか?「外傷(ケガ)」の治し方
健康コラム
2024年03月05日
【なるほど健康知識3月号】正しく対処できていますか?「外傷(ケガ)」の治し方

この記事を書いたスタッフ

企画部 毛利

30歳を過ぎてから、なぜか年齢とともにますますアクティブに! 登山、マラソン、バイクツーリング……などなど、仕事も趣味も全力で楽しみます♪

季節の変わり目は、身体が気候の変化に追いつかず、寒さで筋肉が硬くなっていることが多いため、ケガや事故の多い時期。

急な負荷がかからないように注意するのはもちろんですが、いざという時のために正しい手当てを学びましょう。

外傷(ケガ)とは?

外傷とは、転んだり切ったりして、外からの力で皮膚が削れたり裂けたりすることで組織・臓器が損傷することをいいます。

軽い傷の場合、自然治癒力により、特に問題なくすぐに治ります。

傷が治るメカニズム.png

外傷の種類と治療方法

外傷の原因、外傷時の創部状態によって、次の五種類に分類されます。

切創(切りきず)

鋭利なもので切れた傷で出血が多く、傷の深さや出血の程度に合わせた止血が必要。

一般的にはまわりの組織の損傷は軽度で、縫うことで早くに治すことが可能。

擦過傷(すりきず)

皮膚表面のごく浅い範囲の損傷で、傷跡の残らないことがほとんど。

創部の洗浄が不十分な場合、異物が残り刺青となることも。

裂挫創(皮膚が裂けたきず)

皮膚が裂けるようにできた傷で出血もあり、感染を起こしやすいため、応急手当てのあと医師の診断が必要。

刺創(刺しきず)

傷口は小さく出血も少ないが、皮下深くに細菌が入って化膿することもあるので注意が必要。

器具の先端などの異物が傷の中で折れて残ってしまい、摘出が必要になる場合も。

咬傷(咬みきず)

動物などに咬まれた傷で、歯に付着した雑菌が体内に押し込められるため、感染の頻度が最も高い。

十分な洗浄、抗菌薬の投与、破傷風の予防注射などが必要。

外傷による感染症

傷は、はじめ痛みますが、たいていは1日たつと痛みが軽くなります。

通常、皮膚が持つ自然治癒力によって、傷のまわりに細菌が存在しても感染は起こりません。

しかし、傷口が泥などで汚れたまま時間が経つと、細菌感染を引き起こします。

ケガをした翌日以降に痛みが強くなってきたら、多くの場合、感染の最初の徴候です。

いったん感染すると、傷の治りが遅くなるだけでなく、周辺の部位に感染が広がります。

体の抵抗力が低下していると、細菌が全身に回って敗血症といった全身の疾患につながり、死に至る場合もあります。

感染の様子.png

外傷を早くきれいに治すコツ

消毒はむしろ傷口の治りを悪くさせるため不要であり、傷口を十分洗い流すことがなにより重要です。

また、傷口を乾燥させず、かさぶたを作らないほうがきれいに治ります。

POINT①
傷は十分に洗いながす

細菌の数が少ないと感染は起こりませんが、土や砂といった栄養分があると、細菌は一気に数千倍に増殖します。

水道水は塩素消毒してあるため、傷を洗い流すのに最適です。

洗い流す.png

POINT②
傷は乾かさない

傷口に染み出る体液には、組織の修復と再生を促す成分がたくさん入っています。

傷を乾かすと、体液が渇いて「かさぶた」となり、感染の原因に。

また、傷が空気にふれると皮下神経が刺激され、痛みが強まります。

被覆剤(キズパワーパッドなど)で覆うと、体液が乾かず皮下神経を保護できるため、傷の治癒が促進し痛みが軽減します。

POINT③
傷は消毒しない

消毒液は細菌のみならず正常な組織まで破壊してしまうため、痛みがでます。

ケガした直後は、細菌はとても少なく、感染が成立していないため、消毒する必要がありません。

医療機関に行くべき場合

傷口の腫れや赤み、痛みがどんどん強くなる時は、傷口の感染が疑われます。

また、痛みがなくとも以下のような場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

●傷の長さが約8ミリメートル以上の場合や、傷が深く傷口が開いている場合

●顔面に傷がある場合

●出血が自然に止まらない場合や、圧迫しても数分以内に止まらない場合

●傷口より先の部位にしびれや動かしにくさを感じたり、感覚がない場合

●すり傷が深い、または傷の中の泥や破片を取り除くのが難しい場合

●刺し傷、特に傷口に異物が入り込んでいる可能性が高い場合

●かみ傷(動物や人に咬まれた傷)、傷が深い・大きい場合

●下水道やため池など、不衛生な場所でケガをした場合

●ケガをした人が過去5年間に破傷風の予防接種を受けていない場合

この記事を書いたスタッフ

企画部 毛利

30歳を過ぎてから、なぜか年齢とともにますますアクティブに! 登山、マラソン、バイクツーリング……などなど、仕事も趣味も全力で楽しみます♪

季節の変わり目は、身体が気候の変化に追いつかず、寒さで筋肉が硬くなっていることが多いため、ケガや事故の多い時期。

急な負荷がかからないように注意するのはもちろんですが、いざという時のために正しい手当てを学びましょう。

外傷(ケガ)とは?

外傷とは、転んだり切ったりして、外からの力で皮膚が削れたり裂けたりすることで組織・臓器が損傷することをいいます。

軽い傷の場合、自然治癒力により、特に問題なくすぐに治ります。

傷が治るメカニズム.png

外傷の種類と治療方法

外傷の原因、外傷時の創部状態によって、次の五種類に分類されます。

切創(切りきず)

鋭利なもので切れた傷で出血が多く、傷の深さや出血の程度に合わせた止血が必要。

一般的にはまわりの組織の損傷は軽度で、縫うことで早くに治すことが可能。

擦過傷(すりきず)

皮膚表面のごく浅い範囲の損傷で、傷跡の残らないことがほとんど。

創部の洗浄が不十分な場合、異物が残り刺青となることも。

裂挫創(皮膚が裂けたきず)

皮膚が裂けるようにできた傷で出血もあり、感染を起こしやすいため、応急手当てのあと医師の診断が必要。

刺創(刺しきず)

傷口は小さく出血も少ないが、皮下深くに細菌が入って化膿することもあるので注意が必要。

器具の先端などの異物が傷の中で折れて残ってしまい、摘出が必要になる場合も。

咬傷(咬みきず)

動物などに咬まれた傷で、歯に付着した雑菌が体内に押し込められるため、感染の頻度が最も高い。

十分な洗浄、抗菌薬の投与、破傷風の予防注射などが必要。

外傷による感染症

傷は、はじめ痛みますが、たいていは1日たつと痛みが軽くなります。

通常、皮膚が持つ自然治癒力によって、傷のまわりに細菌が存在しても感染は起こりません。

しかし、傷口が泥などで汚れたまま時間が経つと、細菌感染を引き起こします。

ケガをした翌日以降に痛みが強くなってきたら、多くの場合、感染の最初の徴候です。

いったん感染すると、傷の治りが遅くなるだけでなく、周辺の部位に感染が広がります。

体の抵抗力が低下していると、細菌が全身に回って敗血症といった全身の疾患につながり、死に至る場合もあります。

感染の様子.png

外傷を早くきれいに治すコツ

消毒はむしろ傷口の治りを悪くさせるため不要であり、傷口を十分洗い流すことがなにより重要です。

また、傷口を乾燥させず、かさぶたを作らないほうがきれいに治ります。

POINT①
傷は十分に洗いながす

細菌の数が少ないと感染は起こりませんが、土や砂といった栄養分があると、細菌は一気に数千倍に増殖します。

水道水は塩素消毒してあるため、傷を洗い流すのに最適です。

洗い流す.png

POINT②
傷は乾かさない

傷口に染み出る体液には、組織の修復と再生を促す成分がたくさん入っています。

傷を乾かすと、体液が渇いて「かさぶた」となり、感染の原因に。

また、傷が空気にふれると皮下神経が刺激され、痛みが強まります。

被覆剤(キズパワーパッドなど)で覆うと、体液が乾かず皮下神経を保護できるため、傷の治癒が促進し痛みが軽減します。

POINT③
傷は消毒しない

消毒液は細菌のみならず正常な組織まで破壊してしまうため、痛みがでます。

ケガした直後は、細菌はとても少なく、感染が成立していないため、消毒する必要がありません。

医療機関に行くべき場合

傷口の腫れや赤み、痛みがどんどん強くなる時は、傷口の感染が疑われます。

また、痛みがなくとも以下のような場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

●傷の長さが約8ミリメートル以上の場合や、傷が深く傷口が開いている場合

●顔面に傷がある場合

●出血が自然に止まらない場合や、圧迫しても数分以内に止まらない場合

●傷口より先の部位にしびれや動かしにくさを感じたり、感覚がない場合

●すり傷が深い、または傷の中の泥や破片を取り除くのが難しい場合

●刺し傷、特に傷口に異物が入り込んでいる可能性が高い場合

●かみ傷(動物や人に咬まれた傷)、傷が深い・大きい場合

●下水道やため池など、不衛生な場所でケガをした場合

●ケガをした人が過去5年間に破傷風の予防接種を受けていない場合

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