健康コラム

2025年03月03日
【なるほど健康知識3月号】どのくらい知ってますか?「アトピー性皮膚炎」
健康コラム
2025年03月03日
【なるほど健康知識3月号】どのくらい知ってますか?「アトピー性皮膚炎」

この記事を書いたスタッフ

企画部 毛利

30歳を過ぎてから、なぜか年齢とともにますますアクティブに! 登山、マラソン、バイクツーリング……などなど、仕事も趣味も全力で楽しみます♪

かゆみのある湿疹を繰り返す慢性的な皮膚の病気「アトピー性皮膚炎」。

赤ちゃんから子供、大人まで幅広い年齢層で生じます。

はっきりとした原因はわかっていませんが、長く続くとQOL(生活の質)が低下するだけでなく、心不全などの心血管リスクにも影響します。

軽いかゆみだからといって我慢したりせず、重症化する前にしっかりと治しましょう。

増え続けるアトピー

近年はアレルギー疾患全般が増加しており、アトピー性皮膚炎もこの30年で倍増しています。

一般的には乳幼児期や小児期に発症することが多いですが、中には30~40代になってから発症する場合もあります。

患者数推移.png

アトピーの症状

アトピー性皮膚炎は多くの場合、左右対称に皮疹があらわれ、状態によって次のような種類があります。

皮疹の種類.png

また、年齢により発症しやすい部位が変わります。

発症しやすい部位.png

アトピーの原因とメカニズム

アトピーの原因には、アトピー素因などの体質的な要因と、皮膚への外部刺激などの環境的な要因の二つがあり、それらが重なったときに症状が現れると考えられます。

体質的な要因

 アトピー素因

 皮膚のバリア機能低下

環境的な要因

 アレルゲン(食べ物、ダニ、ほこり、カビ、花粉、動物の毛やフケなど)

 アレルゲン以外の刺激(汗、衣類による摩擦、乾燥、ひっかき傷、洗剤・化粧品など)

 その他(睡眠不足、過労、ストレスなど)

正常な皮膚はバリア機能を備えており、アレルゲンの侵入をブロックできますが、アトピー性皮膚炎の皮膚はバリア機能が低下しているため、アレルゲンをブロックできず簡単に侵入されてしまいます。

アレルゲンと、それを攻撃して体の外へ追い出そうとする免疫細胞が結びつくことで、ヒスタミン(かゆみ物質)が作り出され、炎症が起こります。

アトピーの皮膚.png

また、バリア機能が低下した皮膚は、ちょっとした刺激でもかゆみが起こりやすいため、さらに掻いてしまい、よりバリア機能が破壊されるという悪循環に陥りやすくなってしまうのです。

対策のポイント

生活上(衣、食、住)のいろいろな悪化誘因を除去することが一番大切です。

皮膚への刺激を減らす

 必ず下着を着用する。下着の素材は木綿で、ゴムはゆるめのものがオススメ。

 ランニングシャツより袖つきのTシャツを着用する。(脇の下の汗を吸い取る)

 下着のすすぎを十分に行う。自動洗濯機ではやや不十分。漂白剤などはなるべく使わない。

 ふとんには直接掃除機をかける。電気毛布は使用しない。(睡眠中に汗をかくため)

オーバーカロリー・高脂肪食を避ける

 お菓子やアルコールなど、糖分を摂り過ぎない。

 同じ食品を、毎日続けて食べない。(できるだけ多くの種類を、少量ずつ)

 リノール酸を減らし、α-リノレン酸を増やす。

リノール酸が多い食品

サラダ油・ごま油・マーガリン・マヨネーズ

α-リノレン酸が多い食品

魚介類・海藻類・野菜(根菜)類・エゴマ油

風通しの良い住まい造り

 室内にあまり多くの物を置かない。(特に寝室)

 室内でタバコを吸わない。

 掃除はこまめに、窓を開けて行う。

 長く押入にしまっておいたふとんには必ず、掃除機や乾燥機をかける。

アトピーの意外な特徴

近年の研究によると、アトピー性皮膚炎の子どもたちがADHD(注意欠如・多動性障害)を発症するリスクは、健康な子どもたちと比べて1.56倍高いことが分かっています。

また、ASD(自閉症スペクトラム障害)についても、発症リスクは2.57倍も高くなっています。

そのため、「皮膚-脳軸」という新しい概念に注目し、皮膚の状態が脳の発達や機能に影響を与える可能性が研究されています。

アトピー体質の人は、ヒスタミン(かゆみ物質)が分解されにくく、体内にヒスタミンがあり余っている状態です。

しかし、このヒスタミンは実は、脳内では興奮物質となり、好奇心旺盛で頭の回転が速いスマート因子として働きます。

そのため、ヒスタミン体質の人はアトピー症状が治まると、本来持っていた記憶力の高さや頭の回転の速さなどの能力を発揮し始める人も多いのです。

アトピー性皮膚炎は、治療法も大きく進歩しており、きちんと治療すれば治ります。

一人で悩んだり放置したりせずに、早めに適切な治療を受けましょう。

この記事を書いたスタッフ

企画部 毛利

30歳を過ぎてから、なぜか年齢とともにますますアクティブに! 登山、マラソン、バイクツーリング……などなど、仕事も趣味も全力で楽しみます♪

かゆみのある湿疹を繰り返す慢性的な皮膚の病気「アトピー性皮膚炎」。

赤ちゃんから子供、大人まで幅広い年齢層で生じます。

はっきりとした原因はわかっていませんが、長く続くとQOL(生活の質)が低下するだけでなく、心不全などの心血管リスクにも影響します。

軽いかゆみだからといって我慢したりせず、重症化する前にしっかりと治しましょう。

増え続けるアトピー

近年はアレルギー疾患全般が増加しており、アトピー性皮膚炎もこの30年で倍増しています。

一般的には乳幼児期や小児期に発症することが多いですが、中には30~40代になってから発症する場合もあります。

患者数推移.png

アトピーの症状

アトピー性皮膚炎は多くの場合、左右対称に皮疹があらわれ、状態によって次のような種類があります。

皮疹の種類.png

また、年齢により発症しやすい部位が変わります。

発症しやすい部位.png

アトピーの原因とメカニズム

アトピーの原因には、アトピー素因などの体質的な要因と、皮膚への外部刺激などの環境的な要因の二つがあり、それらが重なったときに症状が現れると考えられます。

体質的な要因

 アトピー素因

 皮膚のバリア機能低下

環境的な要因

 アレルゲン(食べ物、ダニ、ほこり、カビ、花粉、動物の毛やフケなど)

 アレルゲン以外の刺激(汗、衣類による摩擦、乾燥、ひっかき傷、洗剤・化粧品など)

 その他(睡眠不足、過労、ストレスなど)

正常な皮膚はバリア機能を備えており、アレルゲンの侵入をブロックできますが、アトピー性皮膚炎の皮膚はバリア機能が低下しているため、アレルゲンをブロックできず簡単に侵入されてしまいます。

アレルゲンと、それを攻撃して体の外へ追い出そうとする免疫細胞が結びつくことで、ヒスタミン(かゆみ物質)が作り出され、炎症が起こります。

アトピーの皮膚.png

また、バリア機能が低下した皮膚は、ちょっとした刺激でもかゆみが起こりやすいため、さらに掻いてしまい、よりバリア機能が破壊されるという悪循環に陥りやすくなってしまうのです。

対策のポイント

生活上(衣、食、住)のいろいろな悪化誘因を除去することが一番大切です。

皮膚への刺激を減らす

 必ず下着を着用する。下着の素材は木綿で、ゴムはゆるめのものがオススメ。

 ランニングシャツより袖つきのTシャツを着用する。(脇の下の汗を吸い取る)

 下着のすすぎを十分に行う。自動洗濯機ではやや不十分。漂白剤などはなるべく使わない。

 ふとんには直接掃除機をかける。電気毛布は使用しない。(睡眠中に汗をかくため)

オーバーカロリー・高脂肪食を避ける

 お菓子やアルコールなど、糖分を摂り過ぎない。

 同じ食品を、毎日続けて食べない。(できるだけ多くの種類を、少量ずつ)

 リノール酸を減らし、α-リノレン酸を増やす。

リノール酸が多い食品

サラダ油・ごま油・マーガリン・マヨネーズ

α-リノレン酸が多い食品

魚介類・海藻類・野菜(根菜)類・エゴマ油

風通しの良い住まい造り

 室内にあまり多くの物を置かない。(特に寝室)

 室内でタバコを吸わない。

 掃除はこまめに、窓を開けて行う。

 長く押入にしまっておいたふとんには必ず、掃除機や乾燥機をかける。

アトピーの意外な特徴

近年の研究によると、アトピー性皮膚炎の子どもたちがADHD(注意欠如・多動性障害)を発症するリスクは、健康な子どもたちと比べて1.56倍高いことが分かっています。

また、ASD(自閉症スペクトラム障害)についても、発症リスクは2.57倍も高くなっています。

そのため、「皮膚-脳軸」という新しい概念に注目し、皮膚の状態が脳の発達や機能に影響を与える可能性が研究されています。

アトピー体質の人は、ヒスタミン(かゆみ物質)が分解されにくく、体内にヒスタミンがあり余っている状態です。

しかし、このヒスタミンは実は、脳内では興奮物質となり、好奇心旺盛で頭の回転が速いスマート因子として働きます。

そのため、ヒスタミン体質の人はアトピー症状が治まると、本来持っていた記憶力の高さや頭の回転の速さなどの能力を発揮し始める人も多いのです。

アトピー性皮膚炎は、治療法も大きく進歩しており、きちんと治療すれば治ります。

一人で悩んだり放置したりせずに、早めに適切な治療を受けましょう。

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