コラム1
コラム1
この記事を書いたスタッフ
さくらの森
葉山生命科学研究所所長、眼科医 葉山隆一
[はやま・りゅういち]----1975年に新潟大学医学部を卒業後、アメリカ・ハーバード大学およびマサチューセッツ工科大学(MIT)で学び、眼科医としてのキャリアを築く。その後、日本に帰国し、埼玉県大宮で眼科クリニックを開設、患者に向き合う傍ら、葉山生命科学研究所所長として研究活動を行い、目の栄養に関する研究を深める。現在も日米で研究を進めながら、講演会を行っている。著書に『医者がお手上げだった目の病気の次世代栄養素』(メタモル出版)など
こんにちは、眼科医の葉山です。
最近、
「なんとなく見えにくい」
「夕方になると急にぼやける」
そんなお悩みはありませんか?
先日募集させていただいた目のお悩みの中でも、
特に多く寄せられたのが、「かすむ」「ぼやける」「ショボショボする」といった、見え方に関する違和感でした。
「視力が落ちたわけではないのに見えづらい」
このような症状は、単純な視力低下だけでなく、目の状態や使い方など、複数の要因が関係していることが少なくありません。
そこで今回は、こうした"見えにくさ"がどのように起こるのか、その背景について少し詳しくお話しします。
■ かすみ・ぼやけは「3つの要因」が重なって起こりやすい
「ぼやける」と一言でいっても、その原因は一つではありません。
実際には、いくつかの要因が重なって起こることが多く、見え方の感じ方にも個人差が出やすいのが特徴です。
代表的なのが、次の3つです。

① ピント調整の負担(目の筋肉疲労)
目は、近くや遠くを見るときに「ピントを合わせる筋肉(毛様体筋)」を使っています。
スマートフォンや読書などで近くを見続けていると、この筋肉がずっと力を入れた状態になり、いわば緊張しっぱなしになります。

その状態が続くと、
・遠くを見たときにすぐピントが合わない
・全体的にぼんやりする
といった「ピントの切り替えの遅れ」が起こり、ぼやけとして感じられるのです。
つまり、「目の筋肉の疲れ」がぼやけの原因になることがあります。
② 涙の状態の変化(見え方を左右するうるおいの質)
涙は単なる水分ではなく、
「油分・水分・粘液」のバランスによって、目の表面をなめらかに保つ役割があります。
この涙の層が整っていることで、光はスムーズに目の中に入り、クリアな見え方が保たれます。
しかし、
・まばたきが減る
・エアコンなどで乾燥する
といった状態が続くと、このバランスが崩れます。
すると、目の表面がわずかに乱れ、
光がにじむように入り込むことで、
「かすみ」や「にじみ」として感じられるようになります。

「まばたきすると一瞬見えやすくなる」という方は、この影響が関係している可能性があります。
つまり、「目の乾燥」も見えにくさの大きな原因です。
③ 光の影響(まぶしさ・コントラストの低下)
見え方は「視力」だけで決まるものではありません。
実は、光の感じ方にも大きく左右されます。
加齢や目の疲れが進むと、
・光を強くまぶしく感じる
・明るい場所でも、はっきり見えない
こうした変化が起こりやすくなります。
特に文字を読む場面で、
「黒と白の差がぼやける」
「輪郭がにじむように見える」
こんな感覚がある場合、コントラストの低下が関係している可能性が高いでしょう。
この変化は視力検査では捉えにくく、
"見えてはいるのに、見やすくない"
そんな違和感として現れるのが特徴です。
「光の感じ方の変化」も見えにくさに関係しています。
■ 多くの場合"いくつかの要因が重なっている
ここまで3つの要因をお伝えしましたが、
実際にはどれか1つではなく、
「ピント調整による疲れ+乾燥」
「乾燥+光のにじみ」
といったように、いくつかが重なっているケースが多く見られます。
これらの要因は、時間の経過とともに積み重なっていくため、
あるタイミングで「急に見えにくくなった」と感じることもあります。
その代表的な例が、「夕方になるとぼやける」という状態です。
■ なぜ「夕方になるとぼやける」のか?
「朝は見えるのに、夕方になると急にぼやける」
このご相談はとても多く寄せられました。
これは、1日の中で目の状態が変化することが関係しています。
朝:目が休まっており、比較的安定した状態
日中:スマホやPCで目を使い続ける
夕方:疲れと乾燥が重なり、見えにくさが出やすくなる

特に、長時間の近業(スマートフォン・パソコン)ではまばたきが減りやすく、
知らないうちに乾燥とピント調整の負担が蓄積しています。
つまり、夕方のぼやけは「1日の目の使い方の積み重ね」とも言えるのです。
■ 簡単セルフチェック
こうした状態に当てはまるか、簡単にチェックしてみましょう。
✔ 夕方になると見えにくくなる
✔ まばたきをすると一瞬見えやすくなる
✔ 長時間スマホやPCを見ている
✔ 目を閉じると楽になる
※2つ以上当てはまる方は、
「目の疲れ」や「乾燥」の影響を受けている可能性があります。
さらに、
「今日1日どれくらい目を使っていたか」
振り返ってみることもおすすめです。
■ 目薬だけでは変化を感じにくい理由
こうした複数の要因が重なっている場合、
「目薬を使っているのに変わらない」と感じることもあります。
目薬は主に"うるおいを補う"役割がありますが、
見えにくさの原因が「ピント調整の負担」や「目の使い方」にある場合、
それだけでは十分に変化を感じにくいこともあります。
そのため、
・使い方(長時間見続けていないか)
・環境(乾燥・光)
といった部分も合わせて見直すことが大切です。
■ 今日からできる3つの工夫
① 「遠くを見る時間」を意識する

近くを見続けた後は、遠くを見ることでピント調整の負担がやわらぎます。
② まばたきを"意識して"増やす

まばたきによって涙が均一に広がり、見え方が安定しやすくなります。
③ 目を温めてリセットする

目元を温めることで、緊張した状態がゆるみ、リラックスしやすくなります。
■ 「なんとなく見えにくい」を放置しない
今回のお悩みに共通しているのは、
「我慢できる程度だからそのままにしている」という点です。
しかし、この"軽い違和感"は、
目に負担がかかっているサインであることも少なくありません。
小さな不調のうちにケアを取り入れることで、
日々の見え方の快適さは変わってきます。
■ 最後に
目のかすみやぼやけは、特別なことではなく、多くの方が感じている変化です。
だからこそ、
「年齢のせい」と片付けるのではなく、
目の使い方や環境を見直すことが大切です。
日常の中で少し意識を変えるだけでも、
目の負担はやわらげることができます。
日々のケアとあわせて、
安心できる選択をして過ごしましょう!
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葉山生命科学研究所所長、眼科医 葉山隆一
[はやま・りゅういち]----1975年に新潟大学医学部を卒業後、アメリカ・ハーバード大学およびマサチューセッツ工科大学(MIT)で学び、眼科医としてのキャリアを築く。その後、日本に帰国し、埼玉県大宮で眼科クリニックを開設、患者に向き合う傍ら、葉山生命科学研究所所長として研究活動を行い、目の栄養に関する研究を深める。現在も日米で研究を進めながら、講演会を行っている。著書に『医者がお手上げだった目の病気の次世代栄養素』(メタモル出版)など
こんにちは、眼科医の葉山です。
最近、
「なんとなく見えにくい」
「夕方になると急にぼやける」
そんなお悩みはありませんか?
先日募集させていただいた目のお悩みの中でも、
特に多く寄せられたのが、「かすむ」「ぼやける」「ショボショボする」といった、見え方に関する違和感でした。
「視力が落ちたわけではないのに見えづらい」
このような症状は、単純な視力低下だけでなく、目の状態や使い方など、複数の要因が関係していることが少なくありません。
そこで今回は、こうした"見えにくさ"がどのように起こるのか、その背景について少し詳しくお話しします。
■ かすみ・ぼやけは「3つの要因」が重なって起こりやすい
「ぼやける」と一言でいっても、その原因は一つではありません。
実際には、いくつかの要因が重なって起こることが多く、見え方の感じ方にも個人差が出やすいのが特徴です。
代表的なのが、次の3つです。

① ピント調整の負担(目の筋肉疲労)
目は、近くや遠くを見るときに「ピントを合わせる筋肉(毛様体筋)」を使っています。
スマートフォンや読書などで近くを見続けていると、この筋肉がずっと力を入れた状態になり、いわば緊張しっぱなしになります。

その状態が続くと、
・遠くを見たときにすぐピントが合わない
・全体的にぼんやりする
といった「ピントの切り替えの遅れ」が起こり、ぼやけとして感じられるのです。
つまり、「目の筋肉の疲れ」がぼやけの原因になることがあります。
② 涙の状態の変化(見え方を左右するうるおいの質)
涙は単なる水分ではなく、
「油分・水分・粘液」のバランスによって、目の表面をなめらかに保つ役割があります。
この涙の層が整っていることで、光はスムーズに目の中に入り、クリアな見え方が保たれます。
しかし、
・まばたきが減る
・エアコンなどで乾燥する
といった状態が続くと、このバランスが崩れます。
すると、目の表面がわずかに乱れ、
光がにじむように入り込むことで、
「かすみ」や「にじみ」として感じられるようになります。

「まばたきすると一瞬見えやすくなる」という方は、この影響が関係している可能性があります。
つまり、「目の乾燥」も見えにくさの大きな原因です。
③ 光の影響(まぶしさ・コントラストの低下)
見え方は「視力」だけで決まるものではありません。
実は、光の感じ方にも大きく左右されます。
加齢や目の疲れが進むと、
・光を強くまぶしく感じる
・明るい場所でも、はっきり見えない
こうした変化が起こりやすくなります。
特に文字を読む場面で、
「黒と白の差がぼやける」
「輪郭がにじむように見える」
こんな感覚がある場合、コントラストの低下が関係している可能性が高いでしょう。
この変化は視力検査では捉えにくく、
"見えてはいるのに、見やすくない"
そんな違和感として現れるのが特徴です。
「光の感じ方の変化」も見えにくさに関係しています。
■ 多くの場合"いくつかの要因が重なっている
ここまで3つの要因をお伝えしましたが、
実際にはどれか1つではなく、
「ピント調整による疲れ+乾燥」
「乾燥+光のにじみ」
といったように、いくつかが重なっているケースが多く見られます。
これらの要因は、時間の経過とともに積み重なっていくため、
あるタイミングで「急に見えにくくなった」と感じることもあります。
その代表的な例が、「夕方になるとぼやける」という状態です。
■ なぜ「夕方になるとぼやける」のか?
「朝は見えるのに、夕方になると急にぼやける」
このご相談はとても多く寄せられました。
これは、1日の中で目の状態が変化することが関係しています。
朝:目が休まっており、比較的安定した状態
日中:スマホやPCで目を使い続ける
夕方:疲れと乾燥が重なり、見えにくさが出やすくなる

特に、長時間の近業(スマートフォン・パソコン)ではまばたきが減りやすく、
知らないうちに乾燥とピント調整の負担が蓄積しています。
つまり、夕方のぼやけは「1日の目の使い方の積み重ね」とも言えるのです。
■ 簡単セルフチェック
こうした状態に当てはまるか、簡単にチェックしてみましょう。
✔ 夕方になると見えにくくなる
✔ まばたきをすると一瞬見えやすくなる
✔ 長時間スマホやPCを見ている
✔ 目を閉じると楽になる
※2つ以上当てはまる方は、
「目の疲れ」や「乾燥」の影響を受けている可能性があります。
さらに、
「今日1日どれくらい目を使っていたか」
振り返ってみることもおすすめです。
■ 目薬だけでは変化を感じにくい理由
こうした複数の要因が重なっている場合、
「目薬を使っているのに変わらない」と感じることもあります。
目薬は主に"うるおいを補う"役割がありますが、
見えにくさの原因が「ピント調整の負担」や「目の使い方」にある場合、
それだけでは十分に変化を感じにくいこともあります。
そのため、
・使い方(長時間見続けていないか)
・環境(乾燥・光)
といった部分も合わせて見直すことが大切です。
■ 今日からできる3つの工夫
① 「遠くを見る時間」を意識する

近くを見続けた後は、遠くを見ることでピント調整の負担がやわらぎます。
② まばたきを"意識して"増やす

まばたきによって涙が均一に広がり、見え方が安定しやすくなります。
③ 目を温めてリセットする

目元を温めることで、緊張した状態がゆるみ、リラックスしやすくなります。
■ 「なんとなく見えにくい」を放置しない
今回のお悩みに共通しているのは、
「我慢できる程度だからそのままにしている」という点です。
しかし、この"軽い違和感"は、
目に負担がかかっているサインであることも少なくありません。
小さな不調のうちにケアを取り入れることで、
日々の見え方の快適さは変わってきます。
■ 最後に
目のかすみやぼやけは、特別なことではなく、多くの方が感じている変化です。
だからこそ、
「年齢のせい」と片付けるのではなく、
目の使い方や環境を見直すことが大切です。
日常の中で少し意識を変えるだけでも、
目の負担はやわらげることができます。
日々のケアとあわせて、
安心できる選択をして過ごしましょう!
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